![]() 診断および治療のためのミクロRNA(miRNA)および下流標的
专利摘要:
本発明は、ミクロRNAのプロモーター領域、ならびに線維症および/または線維症関連疾患を治療および/または予防するための医薬を製造するための、およびそれらを診断するためのミクロRNA、具体的には、miR-21、および関連要素の使用に関する。さらに、本発明は、miR-21の標的に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。miR-21欠損細胞、miR-21のプロモーター領域および標的、ならびにそのノックアウト生物も含む。最後に、本発明は、線維症および/または線維症関連疾患の診断方法、ならびに線維症および/または線維症関連疾患を治療するための医薬活性化合物のスクリーニング方法を指向する。さらに、本発明は、線維症を治療、改善、および/または予防するのに用いる組成物に関する。ある態様において、該組成物は、線維症を治療、改善、および/または予防するためのmiR-21の活性を調節する。ある態様において、該組成物は、線維症を治療、改善、および/または予防するためのmiR-21の活性を阻害する。 公开号:JP2011516410A 申请号:JP2010548040 申请日:2009-02-26 公开日:2011-05-26 发明作者:カリナ・グロス;シュテファン・エンゲルハルト;トーマス・トゥム;ヨハン・バウアーザックス 申请人:ユリウス・マクシミリアンス−ウニヴェルジテート・ヴュルツブルクJulius Maximilians−Universitaet Wuerzburg; IPC主号:A61K31-7088
专利说明:
[0001] 本発明は、線維症および他の疾患を診断、予防、および/または治療するためのミクロRNA(miRNA)、具体的にはmiR-21、およびその下流標的の分野に関する。さらに本発明は、線維症を治療するための組成物、方法、および使用に関する。そのような方法は、線維症のある対象におけるmiRNA活性を調整および阻害することを含む。] 背景技術 [0002] ミクロRNAは、相補的標的mRNAの発現を制御することにより主要なシグナル伝達経路を含む広範な生物学的プロセスを調節する広範なクラスの小非コーディングRNAである(Ambro、2004)。種々の疾患的存在におけるミクロRNAの調節異常は、ゲノムの変化(Mi et al.、2007)、ある場合には、ミクロRNA機能を腫瘍抑制遺伝子または腫瘍遺伝子に変化させる発現差異(differential expression)またはウイルス感染症により生じる。ミクロRNAは、最近の一連のすばらしい遺伝子研究において種々の心臓機能の調節に関与していた(Care et al.、2007;Yang et al.、2007)。これらの研究は、心臓の生理学、成長、および形態形成におけるミクロRNAの役割を正確に説明するのを助けるが、in vivoの疾患経路におけるミクロRNAに対する詳細な分子メカニズムはよく解っていない。一本鎖オリゴヌクレオチドミクロRNAアンタゴニストは、in vitroおよびin vivoで内因性ミクロRNAを沈黙させ(silence)、標的mRNAおよびタンパク質レベル、および代謝に対する効果を生じることが示されている(Kruetzfeldt et al.、2005;Esau et al.、2006)。これらの治験は、ミクロRNA機能をin vivoで、おそらくより重要なことは新規治療法として検証するためのミクロRNAアンタゴニストの応用を指摘した。] 発明が解決しようとする課題 [0003] (要 約) 本発明は、ミクロRNAのプロモーター領域、ならびに線維症および/または線維症関連疾患を治療および/または予防するための医薬を製造するための、およびそれらを診断するためのミクロRNA、具体的にはミクロRNAおよび関連要素(関連配列)の使用に関する。さらに、本発明は、miR-21の標的に対する種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。miR-21欠損細胞、miR-21のプロモーター領域および標的、ならびにそのノックアウト生物も含む。最後に、本発明は、線維症および/または線維症関連疾患の診断方法、ならびに線維症および/または線維症関連疾患を治療するための医薬活性化合物のスクリーニング方法を指向する。] [0004] 本発明は、線維症があるかまたはその疑いがある対象にmiR-21と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法を提供する。本発明は、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む方法を提供する。] [0005] 線維症が発現するリスクがある対象にmiRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することにより線維症を予防することを含む方法を提供する。ある態様において、線維症は肝線維症である。ある態様において、線維症は肺線維症である。ある態様において、線維症は皮膚線維症である。ある態様において、線維症は加齢関連線維症である。ある態様において、線維症は心線維症である。ある態様において、線維症は腎線維症である。ある態様において、線維症は脾線維症である。] [0006] 本発明は、少なくとも1の心疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象に、miR-21またはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む方法を提供する。] [0007] 本発明は、少なくとも1の心疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む方法を提供する。] [0008] ある態様において、該心疾患または病状は、心肥大、高血圧性心不全、拡張期心不全、収縮期心不全、心臓関連蓄積症、心筋症、収縮性心内膜症、冠動脈疾患、急性心筋梗塞、慢性心筋梗塞、右心不全、不整脈、心筋炎関連線維症、および心臓弁膜症からなる群から選ばれる。] [0009] ある態様において、心筋症は、拡張型心筋症、閉塞を伴う肥大型心筋症、閉塞を伴わない肥大型心筋症、拘束型心筋症、催不整脈性右室心筋症、および糖尿病性心筋症からなる群から選ばれる。] [0010] ある態様において、心臓弁膜症は、僧帽弁狭窄、大動脈弁狭窄、三尖弁狭窄、および肺動脈弁狭窄からなる群から選ばれる。] [0011] ある態様において、心臓弁膜症は、僧帽弁閉鎖不全、大動脈弁閉鎖不全、三尖弁閉鎖不全、および肺動脈弁閉鎖不全からなる群から選ばれる。] [0012] ある態様において、さらに本発明が提供する方法は、1またはそれ以上のさらなる医薬品を投与することを含む。] [0013] ある態様において、該投与は、心重量増加、左心室拡大、または収縮率の低下を改善する。] [0014] ある態様において、該投与は、心重量増加、左心室拡大、または収縮率の低下を予防する。] [0015] ある態様において、該投与は心機能を改善する。] [0016] ある態様において、該投与は、静脈内投与、皮下投与、動脈内投与、または心臓内投与を含む。] [0017] 本発明は、少なくとも1の肝臓疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象に、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法を提供する。] [0018] 本発明は、少なくとも1の肝臓疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む方法を提供する。ある態様において、少なくとも1の肝臓疾患または病状は慢性肝障害である。ある態様において、少なくとも1の肝臓疾患または病状は肝炎ウイルス感染である。ある態様において、肝炎感染はC型肝炎ウイルス感染である。ある態様において、少なくとも1の肝臓疾患または病状は非アルコール性脂肪性肝炎である。ある態様において、該投与は静脈内投与または皮下投与を含む。ある態様において、少なくとも1の肝臓疾患または病状は肝硬変である。ある態様において、該投与は肝機能を改善する。] [0019] 本発明は、少なくとも1の肺疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象にmiRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法を提供する。] [0020] 本発明は、少なくとも1の肺疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む方法を提供する。ある態様において、少なくとも1の他の肺疾患または病状は慢性閉塞性肺疾患である。ある態様において、該投与は肺投与を含む。] [0021] 本発明は、少なくとも1の他の疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象にmiRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法を提供する。] [0022] 本発明は、少なくとも1の他の疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む方法を提供する。ある態様において、少なくとも1の他の疾患または病状は肺高血圧である。ある態様において、少なくとも1の他の疾患または病状は血管関連疾患である。ある態様において、血管関連疾患は動脈壁の硬化、中膜硬化症(mediasclerosis)、および動脈硬化症からなる群から選ばれる。ある態様において、少なくとも1の他の疾患または病状は、腸硬化症(gut sclerosis)である。ある態様において、少なくとも1の他の疾患または病状は全身性硬化症である。ある態様において、少なくとも1の他の疾患または病状は、後腹膜線維症、増殖性線維症、腫瘍性線維症、腎性全身性線維症、注射線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、精管切除後痛症候群、リウマチ性関節炎からなる群から選ばれる。] [0023] ある態様において、該投与は線維症を改善する。ある態様において、該投与は線維症のさらなる進行を遅くする。ある態様において、該投与は線維症のさらなる進行を停止させる。ある態様において、該投与は線維症を減少させる。ある態様において、該投与はコラーゲン含有量を減少させる。] [0024] 本発明は、線維増殖性障害があるかまたはその疑いがある対象に修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することにより線維増殖性障害を治療することを含む線維増殖性障害の治療方法を提供する。] [0025] ある態様において、該投与は、静脈内投与、皮下投与、肺投与、動脈内投与、または心臓内投与を含む。] [0026] 本発明は、線維芽細胞を修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物と接触させて、線維芽細胞の増殖を阻害することを含む線維芽細胞の増殖を阻害する方法を提供する。] [0027] 本発明は、線維芽細胞を修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物と接触させて、線維芽細胞のアポトーシスを促進することを含む線維芽細胞のアポトーシスを促進する方法を提供する。] [0028] 線維芽細胞を修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiRNAまたはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物と接触させて、Sprouty 1タンパク質の発現を促進する線維芽細胞中のSprouty 1タンパク質を増加させる方法を提供する。] [0029] 本発明は、ミクロRNAを阻害するための組成物を提供する。ある態様において、miRNAはmiR-21である。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21またはその前駆体と少なくとも80%同一な核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、miR-21は配列番号1の核酸塩基配列を有する。ある態様において、該miR-21前駆体は、配列番号11の核酸塩基配列を有する。] [0030] ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは、12〜30結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは12結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは13結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは14結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは15〜24結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは15結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは16結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは17結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは18結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは19結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは20結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは21結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは22結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは23結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは24結合ヌクレオシドからなる。] [0031] ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、miR-21またはその前駆体の核酸塩基配列とわずか2つのミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、miR-21またはその前駆体の核酸塩基配列とわずか1つのミスマッチを有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、miR-21またはその前駆体の核酸塩基配列とミスマッチを有さない。] [0032] ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも15連続核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも16連続核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも17連続核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも18連続核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも19連続核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも20連続核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも21連続核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも22連続核酸塩基を含む。] [0033] ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号12の核酸塩基配列からなる。] 課題を解決するための手段 [0034] ある態様において、該化合物はリガンドと結合した修飾オリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、該化合物は、以下の構造(III)を有する: (5')QxQz1(Qy)nQz2Qz3Qz4Q-L(3') (III) [式中、各Qは独立して2'-O-メチル修飾ヌクレオシドである; xは、 である; AおよびBの一つがSであり、他方がOである; yは、 である; z1、z2、z3、およびz4のそれぞれが独立してxまたはyである; n = 6〜17である; Lは、 である; ここで、 Xは、N(CO)R7またはNR7である; R1、R3、およびR9はそれぞれ独立してH、OH、または-CH2ORbである;ただし、R1、R3、およびR9の少なくとも1つがOHであり、R1、R3、およびR9の少なくとも1つが-CH2ORbである; R7は、Rd、またはNRcRdもしくはNHC(O)Rdで置換されたC1-C20アルキルである; Rcは、HまたはC1-C6アルキルである; Rdは、炭化水素ラジカル、または少なくとも1の炭化水素ラジカルに連結していることがあるステロイドラジカルである; Rbは、 であり、ここで、AおよびBの1つがSであり、他方がOである]。] [0035] ある態様において、Rdはコレステロールである。ある態様において、z1、z2、z3、およびz4のそれぞれは、 であり、AおよびBの1つがSであり、他方がOである。] [0036] ある態様において、R1は-CH2ORbである。ある態様において、R9がOHである。ある態様において、R1およびR9がトランスである。ある態様において、R1およびR3がトランスである。ある態様において、R3が-CH2ORbである。ある態様において、R1がOHである。ある態様において、R1およびR3がトランスである。ある態様において、R3およびR9がトランスである。ある態様において、R9がCH2ORbである。ある態様において、XがNC(O)R7である。ある態様において、R7が-CH2(CH2)3CH2NHC(O)Rdである。] [0037] ある態様において、少なくとも1のヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、各ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、少なくとも1のヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。ある態様において、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。ある態様において、少なくとも1のヌクレオシドは修飾糖を含む。ある態様において、複数のヌクレオシドが修飾糖を含む。ある態様において、各ヌクレオシドは修飾糖を含む。ある態様において、各ヌクレオシドは2'-O-メトキシエチル糖を含む。ある態様において、複数のヌクレオシドのそれぞれが2'-O-メトキシエチル糖を含み、複数のヌクレオシドのそれぞれが2'-フルオロ糖を含む。ある態様において、各修飾糖は、独立して2'-O-メトキシエチル糖、2'-フルオロ糖、2'-O-メチル糖、または二環式糖部分から選ばれる。ある態様において、少なくとも1のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む。ある態様において、該修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである。ある態様において、少なくとも1のヌクレオシドがシトシンを含み、該シトシンが5-メチルシトシンである。ある態様において、各シトシンは5-メチルシトシンである。] [0038] ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基配列と少なくとも90%相補的である。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基配列と少なくとも95%相補的である。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基配列と少なくとも100%相補的である。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基配列と完全長の相補性を有する。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号11の核酸塩基配列と少なくとも90%相補的である。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号11の核酸塩基配列と少なくとも95%相補的である。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、配列番号11の核酸塩基配列と少なくとも100%相補的である。ある態様において、miR-21の核酸塩基配列は、配列番号1の核酸塩基配列からなる。ある態様において、該前駆体核酸塩基配列は配列番号11の核酸塩基配列からなる。] [0039] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は医薬組成物として製造される。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは医薬組成物として製造される。] [0040] ある態様において、該化合物は修飾オリゴヌクレオチドからなる。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは一本鎖修飾オリゴヌクレオチドである。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドはアンチセンスオリゴヌクレオチドである。] [0041] 本発明は、線維症の治療、予防、および/または改善に用いるための組成物である。さらに本発明は、線維症の治療、予防、および/または改善に用いるためのmiRNAと相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を提供する。] [0042] 本発明は、線維症を治療および/または予防するための医薬を製造するためのmiR-21と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。] [0043] 本発明は、線維症を治療および/または予防するのに用いるためのmiR-21と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。] [0044] 本発明は、線維症を治療するためのmiR-21および/またはmiR-21に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供する。] [0045] 本発明は、線維症を診断するためのmiR-21および/またはmiR-21に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を提供する。] 図面の簡単な説明 [0046] 心臓疾患におけるmiR-21の調節異常と心臓線維芽細胞における顕著な発現。(a)マイクロアレイによるミクロRNA発現の分析。RNAは、心不全の初期(3ヶ月齢)、中等度(6ヶ月齢)、および後期(12ヶ月)における心不全ネズミモデル(β1AR-TGマウス)の左室心筋から単離した。発現は、野生型コントロールに対する調節倍率として表す。miR-21を赤色で印する。データは3〜4独立ハイブリダイゼーション/群である。(b)左:β1AR-TGマウスの心不全の種々の段階におけるmiR-21発現のノーザンブロット分析。右:上段パネルのデータの定量分析。(c)左:非不全および不全ヒト左室心筋におけるmiR-21発現のノーザンブロット分析。右:非不全および不全ヒト左室心筋における成熟型のmiR-21の定量分析。(d)上段:スクランブル-miR(コントロール-プレmiR、50 nM、72 h)、合成miR-21(プレ-miR-21、50 nM、72 h)、およびmiR-21阻害剤(抗miR-21、50 nM、72 h)によるトランスフェクション後の4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)およびα-アクチニンに対する抗体で染色した新生児心筋細胞。心筋細胞をコントロール条件(補足的方法参照)下で培養するか、またはFCS(5%)で48時間刺激した。下段:個々の心筋細胞サイズの定量分析(ヒストグラム解析)。n>200 心筋細胞/群を解析した。(e)上段:α-MHCプロモーターの制御下でmiR-21を発現するトランスジェニックマウスの生成。中段:野生型(WT)およびトランスジェニック(TG)動物における成熟miR-21のノーザンブロット。下段:一般的形態(HE染色)およびコラーゲン沈着(シリウスレッド)を測定するための染色した野生型およびmiR-21トランスジェニックマウスの横断面心臓領域。(f)心臓線維芽細胞および心筋細胞におけるmiR-21発現。ノーザンブロット(上段)および定量的リアルタイムPCR解析(下段)。全ての誤差バーはSEMを示す。a〜fについてn=3〜6。 miR-21によるSprouty 1の阻害はERK-シグナル伝達を活性化し、線維芽細胞の生存を増強する。(a)Spry1LacZ +/-マウスからの心臓をX-galで染色した。肉眼的(上段)および顕微鏡的(下段)分析は、心臓線維芽細胞におけるLacZの検出を示す。短い黒色バーは100μmを示す。大きな黒いバーは10μmを示す。(b、c)上段:不全ヒト左心室(b)および共培養した心筋細胞および線維芽細胞のスクランブル-ミクロRNA(プレ-miR(登録商標)陰性コントロール#2、50 nM、72h)、合成miR-21(プレ-miR-21、50 nM、72 h)、またはmiR-21阻害剤(抗miR-21、50nM、72 h)によるトランスフェクション後におけるSPRY1、ERK1/2、およびホスホ-ERK1/2の検出。下段:ウエスタンブロッティング成績の定量分析。(d)上段:SPRY1のsiRNA介在ノックダウン(150 nM、72 h)、または共培養心臓細胞のスクランブルsiRNAによる処理(150 nM、72 h)後のSPRY1、ERK1/2、ホスホ-ERK1/2の測定。下段:ウエスタンブロッティング成績の定量分析。(e)上段:スクランブル-ミクロRNA(コントロール-プレ-miR、100 nM、72 h)、合成miR-21(プレ-miR-21、100 nM、72 h)、miR-21アンタゴニスト(抗miR-21、100 nM、72 h)、または各コントロール(100 nM、72 h)で処理後のアネクシンV陽性心臓線維芽細胞のFACS分析。下段:各処理後のアネクシンV陽性細胞の定量分析。(f)下段:スクランブル-ミクロRNA(コントロールプレ-miR、100 nM、72 h)、合成miR- 21(プレ-miR-21、100 nM、72 h)、またはmiR-21アンタゴニスト(抗miR-21、100 nM、72 h)処理後、または(下段)SPRY1のsiRNA介在ノックダウン(150 nM、72 h)またはスクランブルsiRNA処理(150 nM、72 h)後の培養心臓線維芽細胞上清中のFGF2濃度。全ての誤差バーはSEMを示す。a〜fについてn=3-6。 in vivoにおけるmiR-21の治療的サイレンシングは心線維症および心不全を抑制する。(a)上段:頸静脈へのCy3標識修飾オリゴヌクレオチド注射後の左室心組織のCy3およびDAPI染色の蛍光顕微鏡検出。コントロールはPBS注射を受けた。下段:経大動脈狭窄(TAC)または偽手術を受けたマウスに、手術の24時間後3日間連続でコントロール(PB、200μl)またはantagomir(アンタゴmir)-21(200μl;80mg/kg/d)を注射した。(b)上段:TAC後の無処置(コントロール)およびantagomir-21処理マウスにおけるmiR-21発現のノーザンブロット分析。下段:心臓miR-21発現の定量分析。(c)上段:コントロールまたはantagomir-21で処理した偽手術またはTAC後のマウスにおけるSPRY1、ERK1/2およびホスホ-ERK1/2のウエスタンブロット分析。Gβの発現は、ハウスキーピングコントロールとして示した。下段:ウエスタンブロット成績の定量分析。(d)コントロール-およびantagomir-21処置マウスにおける心筋線維症を検出するためのシリウスレッド染色後の心臓切片。(e)コントロール-およびantagomir-21 処置マウスにおける心筋線維症(左)および心臓/体重(右)の定量分析。(f)上段:コントロールまたはantagomir-21処理した偽手術またはTAC後のマウスの心臓組織におけるマウスゲノムのグローバルトランスクリプトーム分析。赤色(緑色)ボックスは、有意に(p<0.05)誘導された(抑制された)遺伝子を表す。下段:antagomir-21処理によるTAC後の心筋線維症に関与するタンパク質をコードする上方調節された遺伝子の正常化。(g)心エコー分析。LVD、左心室直径;FS、短縮率。(h)SPRY1のmiR-21介在阻害による心臓ERKシグナル伝達の活性化の基礎となるメカニズムの提唱。全ての誤差バーはSEMを示す。a〜gにつきn=3-6。 miR-21の転写調節。(a)ヒトmiR-21-プロモーターと比較した種々の種のmiR-21プロモーター領域内の配列保存。バーは保存の程度を示す。(b)ヒトmiR-21-プロモーター構築物のルシフェラーゼ活性。天然プロモーターの進行的短縮は、miR-21の発現に関与する117bp領域の同定をもたらす。n=3。(c)個々の転写因子結合部位の欠失/突然変異後のヒトmiR-21-プロモーター構築物のルシフェラーゼデータ。n=3。 遍在性に発現したmiR-21のノックダウンは、ゼブラフィッシュの心臓表現形を誘導する。(a)左:MO-コントロール胚およびmiR-21モルファントの80hpfでの側面図。A、心房;V、心室;暗い矢印は心膜浮腫を強調する。右上段:コントロール-モルホリノ(MO-コントロール)注射した心臓は、80受精後時間(hpf)で正常な心臓の形態を示す。心臓はループし、心内膜および心筋層はよく発達し、心室(V)および心房(A)は房室(AV)輪により分離される。下段:miR-21モルファント(MO-1注射)は、心室の収縮性の喪失により心膜浮腫が発現し、尾部の短縮を示すが、他の器官系の発生は正常に進行する。(b)2つの異なるモルホリノ-修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(MO-1、n=496、およびMO-2、n=460)によるmiR-21機能の阻害は、注射した胚の>90%に同じ表現形を生じた。データは、群あたり3回の独立した注射から得た。(c)心筋機能は、48、72、96、および120hpfで2つの異なるモルホリノ(MO-1、n=8、およびMO-2、n=8)により注射したMO-コントロール(n=6)およびmiR-21モルファントの心室腔の短縮率(FS)で表した。miR-21モルファント心室の心室FSは、経時的に重度に低下した。 培養心筋細胞のトランスフェクション効率。(a)培養新生児心筋細胞をCy-3標識miR-21(50 nM、72 h、Ambion、USA)でトランスフェクションし、DAPIで染色した(右)。比較のために、培養心筋細胞をDAPI単独で染色した(左)。(b)スクランブル-ミクロRNA(コントロール-プレ-miR、50 nM、72 h)、miR-21阻害剤(抗miR-21、50 nM、72 h)、または合成miR-21(プレ-miR-21、50 nM、72 h)でトランスフェクションした後の培養心筋細胞におけるmiR-21発現のノーザンブロット分析。すべての誤差バーはSEMを示す;a)およびb)についてn=3-6。 Spry1遺伝子の3'UTR内のミクロRNA結合部位。 上段:Spry1遺伝子の3'UTR内の結合部位を有する種々のミクロRNAの発現変化。下段:ミクロRNAマイクロアレイにより分析した3'UTR内の結合部位を有するミクロRNAを灰色で表す。Cds=コード配列。 miR-21リアルタイムPCR発現データ。ノーザンブロッティングによる測定に加え、miR-21の発現を、偽手術、偽+antagomir-21処理、TACおよびTAC+antagomir-21処理後のマウスの左心室組織(左)、ならびに野生型マウスおよびmiR-21トランスジェニックマウスの心臓(右)においてリアルタイムPCRにより分析した。n=4-6/群。データ示さず:] [0047] 理論的miR-21標的のスクリーニングにより22の既知の潜在的標的遺伝子が解り、その内の8つは心臓組織内に発現することが示された。3つの異なる標的推定ツールの組み合わせにより可能性の高い候補としてSpry1(sprouty1(スプロウティ1))が同定された。 miR-21の転写調節] [0048] ヒトmiR-21-プロモーターに比べて種々の種のmiR-21-プロモーター領域内には配列保存がある。個々の転写因子結合部位の欠失/突然変異後にヒトmiR-21-プロモーター構築物のルシフェラーゼ活性がみられた。該陰性プロモーターの進行性の短縮は、miR-21の発現に関与する117bp領域の同定をもたらす。n=3。 培養心筋細胞におけるトランスフェクション効果] [0049] 培養新生児心筋細胞をCy-3標識miR-21(50 nM、72 h、Ambion、USA)でトランスフェクションし、次いでDAPIで染色した。比較のために培養心筋細胞をDAPIのみで染色した。スクランブル-ミクロRNA(コントロール-プレ-miR、50 nM、72 h)、miR-21阻害剤(抗miR-21、50 nM、72 h)、または合成miR-21(プレ-miR-21、50 nM、72 h)でトランスフェクションした後の培養心筋細胞におけるmiR-21発現のノーザンブロッティング分析を行った。 Spryl遺伝子の3.UTR内のミクロRNA結合部位] [0050] Spryl遺伝子の3'UTR内に結合部位を有する種々のミクロRNAの発現変化がある。3'UTR内に結合部位を有するミクロRNAをミクロRNAマイクロアレイにより分析した。 miR-21リアルタイムPCR発現データ] [0051] ノーザンブロッティングによる測定に加え、miR-21の発現を、偽手術、偽手術+miR-21アンタゴニスト処置、TACおよびTAC+miR-21アンタゴニスト処置後のマウスの左心室組織、ならびに野生型マウスおよびmiR-21トランスジェニックマウス由来の心臓においてリアルタイムPCRで分析した。 (詳細な説明) 定 義] [0052] 「線維症」は、器官または組織における過剰な線維性結合組織の形成または発現を意味する。ある態様において、線維症は修復または反応過程として生じる。ある態様において、線維症は傷害または損傷に反応して生じる。用語「線維症」は、器官または組織の正常な構成要素としての線維性組織の形成と異なり、修復または反応過程としての器官または組織における過剰な線維性結合組織の形成または発現と理解すべきである。] [0053] アンチセンスオリゴヌクレオチドは、別の配列と相補的なある種の配列、具体的にはmiR-21と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドと理解すべきである。miR-21の標的もmiR-21の下流標的を含むと理解されうる。例えばmiR-21と少なくとも相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを介するmiR-21の阻害はSproutyなどのようなmiR-21の標的の抑制解除または過剰発現さえもたらすと気づくことが重要である。] [0054] 「対象」は、処置または治療のために選ばれる人または非ヒト動物を意味する。] [0055] 「〜を有すると疑われる対象」は、疾患または病状の1またはそれ以上の臨床的兆候を有する対象を意味する。] [0056] 「線維症を有すると疑われる対象」は、線維症の1またはそれ以上の臨床的指標を有する対象を意味する。] [0057] 「予防する」または「予防」とは、病状または疾患の発症、発現、または進行を一定期間(数週間、数ヶ月、または数年を含む)遅延させまたは防止することをいう。] [0058] 「処置(治療)」または「処置する」は、疾患を回復または改善させるために用いる1またはそれ以上の具体的方法の適用を意味する。ある態様において、該具体的方法は1またはそれ以上の医薬品を投与することである。] [0059] 「改善」は、病状または疾患の少なくとも1の指標の重症度の減少を意味する。ある態様において、改善には病状または疾患の1またはそれ以上の指標の進行を遅延または遅らせることが含まれる。指標の重症度は、当業者に知られた主観的または客観的手段により決定することができる。] [0060] 「それを必要とする対象」は、治療または処置が必要であることが確認された対象を意味する。] [0061] 「投与する」とは、対象に医薬品または医薬組成物を与えることを意味し、これには限定されるものではないが、医療専門家による投与および自己投与が含まれる。] [0062] 「非経口投与」は注射または注入による投与を意味する。] [0063] 非経口投与には、限定されるものではないが、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、および頭蓋内投与が含まれる。] [0064] 「皮下投与」は皮膚直下への投与を意味する。] [0065] 「静脈内投与」は静脈内への投与を意味する。] [0066] 「動脈内投与」は動脈内への投与を意味する。] [0067] 「心臓内投与」は心臓内への投与を意味する。ある態様において、心臓内投与はカテーテルを介してなされる。ある態様において、心臓内投与は開心術によりなされる。] [0068] 「肺投与」は肺への投与を意味する。] [0069] 「肝機能を改善する」は、肝機能が正常パラメーターに向かって変化することを意味する。ある態様において、肝機能は、対象の血液中にみられる分子を測定することにより評価される。例えば、ある態様において、肝機能の改善は血中肝臓トランスアミナーゼ濃度の減少により測定される。] [0070] 「医薬組成物」は、医薬品を含む個体への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチドおよび無菌水性溶液を含みうる。] [0071] 「医薬品」は、対象に投与すると治療効果をもたらす物質を意味する。] [0072] 「活性医薬成分」は、目的とする効果をもたらす医薬組成物中の物質を意味する。] [0073] 「標的核酸」、「標的RNA」、「標的RNA転写物」、および「核酸標的」は、すべてアンチセンス化合物が標的とすることができるあらゆる核酸を意味する。] [0074] 「ターゲッティング(標的化)」は、標的核酸とハイブリダイズし、目的とする効果を誘導する核酸塩基配列の設計および選択過程を意味する。] [0075] 「〜に標的化した」は標的核酸とハイブリダイズして目的とする効果を誘導することができる核酸塩基配列を有することを意味する。ある態様において、目的とする効果は標的核酸の減少である。] [0076] 「モジュレーション(調節)」は機能または活性の摂動(動揺、perturbation)を意味する。ある態様において、モジュレーションは遺伝子発現の増加を意味する。ある態様において、モジュレーションは遺伝子発現の減少を意味する。] [0077] 「発現」は、遺伝子がコードした情報が細胞中で存在し、作用する構造に変換されるあらゆる機能および工程を意味する。] [0078] 「5'標的部位」は、特定のオリゴヌクレオチドの最も5'側の核酸塩基と相補的な核酸塩基の標的核酸を意味する。] [0079] 「3'標的部位」は、特定のオリゴヌクレオチドの最も3'側の核酸塩基と相補的な核酸塩基の標的核酸を意味する。] [0080] 「領域」は、核酸内の結合ヌクレオシドの部分を意味する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸のある領域と相補的な核酸塩基配列を有する。例えば、あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAステムループ配列の領域と相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドはmiRNAステムループ配列の領域に対して100%である。] [0081] 「断片」は、ある領域のより小さいかまたは下位の部分を意味する。] [0082] 「核酸塩基配列」は、あらゆる糖、結合、および/または核酸塩基モジュレーションと無関係な5'から3'方向の連続核酸塩基の順序を意味する。] [0083] 「隣接核酸塩基」は、核酸内で互いに隣り合った核酸塩基を意味する。] [0084] 「核酸塩基相補性」は、水素結合を介して非共有結合的に対になる2つの核酸塩基の能力を意味する。] [0085] 「相補性」は、第1核酸塩基配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ以上の核酸塩基のある領域にわたって第2核酸塩基配列の相補物と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一、または100%同一であるか、または2つの配列がストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。ある態様において、miRNAと100%相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドまたはその前駆体は、該修飾オリゴヌクレオチドの全長にわたりmiRNAまたはその前駆体と100%相補的ではないかもしれない。] [0086] 「相補性」は、第1核酸と第2核酸の間の核酸塩基の対合能を意味する。] [0087] 「完全長の相補性」は、第1核酸の各核酸塩基が第2核酸の対応する位置で各核酸塩基と対合することができることを意味する。例えば、ある態様において、各核酸塩基がmiRNA中の核酸塩基と相補性を有する修飾オリゴヌクレオチドはmiRNAと完全長の相補性を有する。] [0088] 「相補性パーセント」は、核酸中の相補的核酸塩基の数を核酸の長さで割ったものを意味する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの相補性パーセントは標的核酸と相補的な核酸塩基の数を該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基数で割ったものを意味する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの相補性パーセントはmiRNAと相補的な核酸塩基の数を該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基数で割ったものを意味する。] [0089] 「結合領域パーセント」は、オリゴヌクレオチド領域と相補的な領域のパーセントを意味する。結合領域パーセントは、オリゴヌクレオチドと相補的な標的領域の核酸塩基の数を標的領域の長さで割ることにより計算する。ある態様において、結合領域パーセントは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%である。] [0090] 「同一性パーセント」は、第2核酸中の対応する位置の核酸塩基と同一な第1核酸中の核酸塩基数を第1核酸中の核酸塩基の総数で割ったものを意味する。] [0091] 本明細書で用いている「実質的に同一」は、第1および第2核酸塩基配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ以上の核酸塩基の領域にわたり、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一、または100%同一であることを意味することがある。] [0092] 「ハイブリダイズ」は、核酸塩基相補性を通して生じる相補的核酸のアニーリングを意味する。] [0093] 「ミスマッチ」は、第2核酸の対応する位置の核酸塩基と対合することができない第1核酸の核酸塩基を意味する。] [0094] 「非相補的核酸塩基」は、水素結合を介して対合することができない2つの核酸塩基を意味する。] [0095] 「同一な」は同じ核酸塩基配列を有することを意味する。] [0096] 「miRNA」または「miR」は、コーディングRNAとハイブリダイズし、その発現を調節する長さ18〜25核酸塩基の非コーディングRNAを意味する。ある態様において、miRNAは酵素Dicerによるプレ-miRNAの開裂産物である。miRNAの例は、miRBase(http://microrna.sanger.ac.uk/)として知られるmiRNAデータベースに記載されている。] [0097] 「プレ-miRNA」または「プレ-miR」は、miRNAを含むエアピン構造を有する非コーディングRNAを意味する。ある態様において、プレ-miRNAはDroshaとして知られる二本鎖RNA特異的リボヌクレアーゼによるpri-miRの開裂産物である。] [0098] 「ステムループ配列」は、成熟miRNA配列を含む、ヘアピン構造を有するRNAを意味する。プレ-miRNA配列およびステムループ配列は重複しうる。ステムループ配列の例は、miRBase(http://microrna.sanger.ac.uk/)として知られるmiRNAデータベースに記載されている。] [0099] 「Pri-miRNA」または「pri-miR」は、二本鎖RNA特異的リボヌクレアーゼDroshaの基質であるヘアピン構造を有する非コーディングRNAを意味する。] [0100] 「miRNA前駆体」は、ゲノムDNAに由来する、1またはそれ以上のmiRNA配列を含む非コーディング構造化RNAを含む転写物を意味する。例えば、ある態様において、miRNA前駆体はプレ-miRNAである。ある態様において、miRNA 前駆体はpri-miRNAである。] [0101] 「モノシストロン性転写物」は、ただ1つのmiRNA配列を含むmiRNA前駆体を意味する。] [0102] 「ポリシストロン性転写物」は、2またはそれ以上のmiRNA配列を含むmiRNA前駆体を意味する。] [0103] 「シード領域」は、成熟miRNA配列の5'末端から2〜6または2〜7番のヌクレオチドを意味する。] [0104] 「オリゴマー化合物」は、結合したモノマーサブユニットのポリマーを含む化合物を意味する。] [0105] 「オリゴヌクレオチド」は、それぞれ互いに独立して修飾または非修飾でありうる結合ヌクレオシドのポリマーを意味する。] [0106] 「天然のヌクレオシド間結合」は、ヌクレオシド間の3'から5'へのホスホジエステル結合を意味する。] [0107] 「天然の糖」は、DNA(2'-H)またはRNA(2'-OH)にみられる糖を意味する。] [0108] 「天然の核酸塩基」は、天然型に対して修飾されていない核酸塩基を意味する。] [0109] 「ヌクレオシド間結合」は、隣り合ったヌクレオシド間の共有結合を意味する。] [0110] 「結合ヌクレオシド」は、共有結合により結合したヌクレオシドを意味する。] [0111] 「核酸塩基」は、別の核酸塩基と非共有対合することができるヘテロサイクリック部分を意味する。] [0112] 「ヌクレオシド」は、糖と結合した核酸塩基を意味する。] [0113] 「ヌクレオチド」はヌクレオシドの糖部分と共有結合したリン酸基を有するヌクレオシドを意味する。] [0114] 「miRアンタゴニスト」は、miRNAまたはその前駆体と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを意味する。例えば、「miR-Xアンタゴニスト」は、miR-Xとの核酸塩基相補性を有する修飾オリゴヌクレオチドを意味する。ある態様において、アンタゴニストはmiR-21アンタゴニストである。] [0115] 「修飾オリゴヌクレオチド」は、天然末端、糖、核酸塩基、および/またはヌクレオシド間結合に対して1またはそれ以上の修飾を有するオリゴヌクレオチドを意味する。] [0116] 「一本鎖修飾オリゴヌクレオチド」は、相補鎖とハイブリダイズしていない修飾オリゴヌクレオチドを意味する。] [0117] 「修飾ヌクレオシド間結合」は、天然ヌクレオシド間結合からのあらゆる変化を意味する。] [0118] 「ホスホロチオエートヌクレオシド間結合」は、非架橋原子の一つが硫黄原子であるヌクレオシド間結合を意味する。] [0119] 「修飾糖」は、天然糖からの置換および/またはあらゆる変化を意味する。] [0120] 「修飾核酸塩基」は、天然核酸塩基からのあらゆる置換および/または変化を意味する。] [0121] 「5-メチルシトシン」は、5'位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。] [0122] 「2'-O-メチル糖」または「2'-OMe糖」は、2'位にO-メチル修飾を含む糖を意味する。] [0123] 「2'-O-メトキシエチル糖」または「2'-MOE糖」は2'位にO-メトキシエチル修飾を含む糖を意味する。] [0124] 「2'-O-フルオロ糖」または「2'-F糖」は、2'位にフルオロ修飾を有する糖を意味する。] [0125] 「二環式糖部分」は、2つの非ゲミナル環原子の架橋により修飾された糖を意味する。] [0126] 「2'-O-メトキシエチルヌクレオシド」は、2'-O-メトキシエチル糖修飾を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。] [0127] 「2'-フルオロヌクレオシド」は、2'-フルオロ糖修飾を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。] [0128] 「2'-O-メチル」ヌクレオシドは、2'-O-メチル糖修飾を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。] [0129] 「二環式ヌクレオシド」は、二環式糖部分を有する2'-修飾ヌクレオシドを意味する。] [0130] 「モチーフ」は、オリゴヌクレオチド中の修飾および/または非修飾核酸塩基、糖、および/またはヌクレオシド間結合のパターンを意味する。] [0131] 「完全修飾オリゴヌクレオチド」は、各核酸塩基、各糖、および/または各ヌクレオシド間結合が修飾されていることを意味する。] [0132] 「均一修飾オリゴヌクレオチド」は、各核酸塩基、各糖、および/または各ヌクレオシド間結合が修飾オリゴヌクレオチド全体で同じ修飾を有することを意味する。] [0133] 「安定化修飾」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合により結合した2'-ヌクレオシドによりもたらされるものに比べてヌクレアーゼ存在下で修飾オリゴヌクレオチドに対する安定性の増加をもたらすヌクレオシドに対する修飾を意味する。例えば、ある態様において、安定化修飾は、安定化ヌクレオシド修飾である。ある態様において、安定化修飾はヌクレオシド間結合修飾である。] [0134] 「安定化ヌクレオシド」は、2'-デオキシヌクレオシドによりもたらされるものに比べてオリゴヌクレオチドに対するヌクレアーゼ安定性の増大をもたらすように修飾されたヌクレオシドを意味する。ある態様において、安定化ヌクレオシドは2'-修飾ヌクレオシドである。] [0135] 「安定化ヌクレオシド間結合」は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合によりもたらされるものに比べてオリゴヌクレオチドに対するヌクレアーゼ安定性の増大をもたらすヌクレオシド間結合を意味する。ある態様において、安定化ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。 (要約)] [0136] 本発明は、miR-21と相補的な修飾されたヌクレオチドがmiR-21を阻害するための医薬品であることをみいだした。ある態様において、該修飾オリゴヌクレオチドはmiR-21の上方調節を特徴とする疾患を有する対象に投与される。ある態様において、該疾患は癌である。ある態様において、該疾患は心不全である。ある態様において、該疾患は線維症である。線維症は、傷害または損傷に反応して器官または組織中に過剰の線維性結合組織が発現することによって生じる。無処置のまま放置すると線維症は心臓、肺、腎臓、肝臓、および皮膚、その他の組織に種々の病状を生じ得る。] [0137] 本発明は、線維芽細胞由来miR-21が線維症において重要な役割を果たすことをみいだした。miR-21レベルの増強は線維芽細胞の生存を促進したが、内因性miR-21の抑制はアポトーシスによる細胞死を誘導した。すなわち、本発明は、miR-21が線維芽細胞の生存を調節するメカニズムを確認した。異常な線維芽細胞の増殖と生存は線維症を生じうる。したがって、miR-21と相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、線維症を治療するための医薬品である。ある態様において、miR-21と相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドである。] [0138] 本発明者らは、心臓中の線維芽細胞由来miR-21およびSPRY1の重要な役割を明らかにする(図3h)。データは、ERK-MAPキナーゼ活性のストレス誘発性およびmiRNA介在性の活性化が心線維症の調節に重要かも知れないことを示唆する。この試験は、疾患モデルにおけるミクロRNAの治療的適用についての最初の例を示す。特異的に拮抗するmiR-21は、ネズミモデルにおける構造的および機能的崩壊を抑制した。この知見は、心不全に対する新しい治療への入り口を示唆し、ミクロRNAアンタゴニストの広い治療的可能性を示す。] [0139] ある局面において、本発明は、線維症および/または線維症関連疾患を治療および/または予防するための医薬を製造するための、miR-21、miR-21に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、および/またはmiR-21の標的の使用に関する。] [0140] 本発明は、特に線維症関連心臓特異疾患(=線維症関連疾患)、例えば、心肥大、高血圧性心疾患、拡張期および収縮期心不全、心臓関連蓄積症、例えば、M.Fabry、心筋症、例えば拡張型心筋症、閉塞を伴うか伴わない肥大型心筋症、拘束型心筋症、催不整脈性右室心筋症、および他の形の心筋症、例えば糖尿病性心筋症、収縮性心内膜症、冠動脈疾患、心筋梗塞、急性および慢性右心不全、線維症による不整脈、心筋炎関連線維症、弁狭窄または機能不全(例えば硬化症)を生じる心臓弁疾患、例えば、僧帽弁狭窄および/または機能不全、大動脈弁狭窄および/または機能不全、三尖弁狭窄および/または機能不全、肺動脈弁狭窄および/または機能不全に関する。] [0141] さらなる局面において、本発明は、心臓系と関連のない他の線維症関連疾患(=線維症関連疾患)に関する。非限定的例は、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、肺高血圧、毒性環境や肝炎によるおよび/または右心不全に続発する肝線維症、皮膚線維症、例えば損傷後のケロイドの発現、血管関連疾患、例えば、年齢または高血圧に関連する動脈壁の硬化、中膜硬化症(mediasclerosis)、動脈硬化症、種々の器官の加齢関連線維症、腸硬化症(例えばクローン病における)、全身性硬化症、およびCREST症候群などの、腎線維症、腫瘍性線維症および/またはリウマチ性関節炎に関する。] [0142] さらによく知られた線維症関連疾患および傷害には、例えば心内膜線維症および特発性心筋症、肝臓の線維症から生じうる肝硬変、特発性肺線維症、びまん性実質性肺疾患、縦隔線維症、骨髄線維症、精管切除後痛症候群、後腹膜線維症、および腎性全身性線維症がある。] [0143] 本発明のすべての局面、特に特許請求の範囲に記載の局面は、可能性のある例として示す上記疾患、障害、および病状を診断、治療、および/または予防するために用いることができよう。列挙したものに限定されるものではない。] [0144] ある態様において、本発明は、miR-21を調節するための戦略に関する。別の態様において、本発明は、miR-21を調節、例えば過剰発現および/または上方調節するための戦略に関する。] [0145] 考えられるモジュレーションには、移植可能な用具、例えばウイルスベクターおよびリボソーム製剤など、遺伝子伝達系、スポンジ(sponge)などがある。] [0146] Sprouty(SPRY1)は、本明細書においてmiR-21の標的であると確認されている。miR-21およびSPRY1は共に心臓線維芽細胞、その他の細胞種に発現する。心臓線維芽細胞におけるmiR-21発現の増加は、SPRYタンパク質発現の強い抑制を誘導し、さらにERK-MAPキナーゼ活性化を増加させた。好ましい態様において、該標的は、Sprouty1(SPRY1)、具体的には配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1、およびRtn4からなる群から選ばれる。] [0147] ある局面において、本発明は、線維症および/または線維症関連疾患を診断、治療、および/または予防するための、配列番号2〜配列番号4、Sprouty1(SPRY1)、具体的には、配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1、および/またはRtn4に対する(またはそれと相補的な)アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。ある局面において、Sprouty1(SPRY1)、具体的には配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1、および/またはRtn4からなる群から選ばれる標的と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的部位と結合して選択した標的の発現を阻害し、ミクロRNA、例えばmiR-21の能力と干渉する。ある局面において、そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは1またはそれ以上のヌクレオシド修飾を含む。] [0148] ある局面において、本発明は、miR-21、配列番号2〜配列番号4、Sprouty1(SPRY1)、具体的には、配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1および/またはRtn4が欠損した細胞に関する。] [0149] ある局面において、本発明は、線維症および/または線維症関連疾患の動物モデルとしての、miR-21、配列番号2〜配列番号4、Sprouty1(SPRY1)、具体的には、配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1、および/またはRtn4が欠損した非ヒト哺乳動物ノックアウト生物に関する。miR-21を過剰発現するトランスジェニック動物、具体的には非ヒト哺乳動物も含む。] [0150] 本発明は、線維芽細胞由来miR-21が心不全の一因となることをみいだした。特発性拡張型心筋症による末期心不全の対象から得た左心室心臓組織試料の分析は、miR-21発現の増加とSPRY1タンパク質発現の抑制を示した。さらに、ERK-MAPキナーゼは、phosphor(ホスホル)-ERK/ERK比の増加から明らかなようにこれら対象由来の試料において活性化した。本発明は、心不全動物モデルにおいて、miR-21と相補的な修飾オリゴヌクレオチドの投与は心線維症の顕著な減弱をもたらすことをみいだした。心不全は、その他のパラメーターである心線維症を特徴とする。したがって、miR-21と相補的な修飾オリゴヌクレオチドは心線維症を治療するための医薬品である。] [0151] 本発明は、心不全の動物モデルにおいて、心線維症の減弱は心重量増加の減少も伴うこともみいだした。さらに、心エコー検査による心機能の評価は、miR-21と相補的な修飾オリゴヌクレオチドの投与は、左心室拡大を抑制し、短縮率のパラメーターを正常化したことを明らかにした。心不全は、その他のパラメーターである、心重量増加、左心室拡大、および収縮率の低下を特徴とすることがある。さらに、miR-21と相補的な修飾オリゴヌクレオチドは、心線維症を伴う心不全の治療、改善、および予防のための治療薬である。] [0152] ある局面において、本発明は、線維症および/または線維症関連疾患を診断、予防、および/または治療するためのカルシウム/cAMP応答配列タンパク質(CREB)および/または血清応答因子(SRF)結合部位の修飾を含むミクロRNA(miRNA)のプロモーター領域に関する。] [0153] ある態様において、該プロモーター領域、mirR-21それ自体の遺伝子、および/または種々のメッセンジャーRNAの3'UTRは、多形性、突然変異、具体的には、点突然変異、欠失、トランケーション、および/または反転を含みうる。野生型配列に対するこれらすべての修正は、新規miR-21結合部位のde novo形成またはmiR-21結合部位の欠失をもたらす。別の態様において、該プロモーター領域の修飾は、点突然変異、トランケーション、欠失、および反転からなる群から選ばれる。さらに、該プロモーター領域は、配列番号2〜配列番号4からなる群から選ぶことができる。 診断的適用] [0154] ある局面において、本発明は、線維症および/または線維症関連疾患を診断するためのmiR-21、miR-21に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、および/またはmiR-21の標的の使用に関する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、別の配列と相補的なある配列、具体的には、miR-21と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドと理解すべきである。miR-21の標的は、miR-21の下流の標的を含むと理解されうる。例えばmiR-21と少なくとも相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを介したmiR-21の阻害はSproutyなどのようなmiR-21の標的の抑制解除または過剰発現すらもたらすことに留意することが重要である。] [0155] ある局面において、本発明は、以下の工程を含む線維症および/または線維症関連疾患の診断方法に関する: (a)線維症および/または線維症関連疾患に罹患していると思われる患者の試料を得; (b)miR-21、Sprouty1(SPRY1)、具体的には、配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1および/またはRtn4の発現を測定する; ここで、コントロール試料と比べてmiR-21レベルの上昇、および/またはSprouty1(SPRY1)、具体的には、配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1および/またはRtn4のレベルの減少は、線維症および/または線維症関連疾患またはその素因を示す。] [0156] ある局面において、本発明は、以下の工程を含む線維症および/または線維症関連疾患またはその素因を治療および/または予防するための医薬活性化合物のスクリーニング方法に関する: (a)MiR-21、Sprouty1(SPRY1)、具体的には、配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1および/またはRtn4を含む試料を得; (b)候補物質と該試料を接触させ; (c)該試料に対する候補物質の効果を測定する; ここで、miR-21、Sprouty1(SPRY1)、具体的には、配列番号7または配列番号8、Tgfbi、Krit1、Pitx2、Fasl、Nfib、Lnx1および/またはRtn4の変化が医薬活性化合物を示す。 ある疾患および病状] [0157] 本発明は、線維症があるかまたはその疑いがある対象の治療方法を提供する。線維症があるかまたはその疑いがあると同定された対象の治療方法も提供する。ある態様において、そのような方法は、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを対象に投与することを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。] [0158] さらに本発明は、線維症を発現するリスクがある対象の線維症の予防方法を提供する。ある態様において、そのような方法は、線維症が発現するリスクがある対象にmiRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを投与することを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。] [0159] ある態様において、線維症は肝線維症である。ある態様において、線維症は肺線維症である。ある態様において、線維症は皮膚線維症である。ある態様において、線維症は心線維症である。ある態様において、線維症は腎線維症である。ある態様において、線維症は肺線維症である。ある態様において、線維症は加齢関連線維症である。ある態様において、線維症は脾線維症である。] [0160] ある態様において、線維症があるかまたはその疑いがある対象は少なくとも1の心疾患または病状を有する。ある態様において、線維症があるかまたはその疑いがあると同定された対象は少なくとも1の心疾患または病状を有する。ある態様において、そのような方法は、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを対象に投与することを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。] [0161] ある態様において、心疾患または病状は心肥大である。ある態様において、心疾患または病状は心筋症である。ある態様において、心筋症は、拡張型心筋症、閉塞を伴う肥大型心筋症、閉塞を伴わない肥大型心筋症、拘束型心筋症、催不整脈性右室心筋症、または糖尿病性心筋症である。] [0162] ある態様において、心疾患または病状は冠動脈疾患である。ある態様において、心疾患または病状は、心臓関連蓄積症、収縮性心内膜症、急性心筋梗塞、慢性心筋梗塞、心臓不整脈、または心筋炎関連線維症である。] [0163] ある態様において、心疾患または病状は心不全である。ある態様において、心不全は、高血圧性心不全、拡張期心不全、収縮期心不全、または右心不全である。] [0164] ある態様において、心疾患または病状は心臓弁膜症である。ある態様において、心臓弁膜症は、僧帽弁狭窄、大動脈弁狭窄、三尖弁狭窄、または肺動脈弁狭窄である。ある態様において、心臓弁膜症は、僧帽弁閉鎖不全、大動脈弁閉鎖不全、三尖弁閉鎖不全、または肺動脈弁閉鎖不全である。] [0165] 本発明は、線維症があるかまたはその疑いがある、肝疾患または病状を有する対象の治療方法を提供する。ある態様において、線維症があるかまたはその疑いがあると同定された対象は、少なくとも1の肝臓疾患または病状を有する。ある態様において、そのような方法は、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを対象に投与することを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。ある態様において、肝疾患または病状は慢性肝障害である。ある態様において、肝疾患または病状は肝炎ウイルス感染である。ある態様において、肝炎感染症はC型肝炎ウイルス感染症である。ある態様において、肝疾患または病状は非アルコール性脂肪性肝炎である。ある態様において、肝疾患または病状は肝硬変である。] [0166] 本発明は、線維症があるかまたはその疑いがある、少なくとも1の肺疾患または病状を有する対象の治療方法を提供する。また、本発明は、線維症があるかまたはその疑いがあると同定された、少なくとも1の肺疾患または病状を有する対象の治療方法も提供する。ある態様において、そのような方法は、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを対象に投与することを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。ある態様において、肺疾患または病状は慢性閉塞性肺疾患である。] [0167] 本発明は、線維症があるかまたはその疑いがある、少なくとも1の他の疾患または病状を有する対象の治療方法を提供する。本発明は、線維症があるかまたはその疑いがあると同定された、少なくとも1の他の疾患または病状を有する対象の治療方法も提供する。ある態様において、そのような方法は、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを対象に投与することを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。ある態様において、1の他の疾患または病状は肺高血圧である。ある態様において、1の他の疾患または病状は血管関連疾患である。あるそのような態様において、血管関連疾患は、動脈壁の硬化、中膜硬化症(mediasclerosis)、または動脈硬化症である。ある態様において、1の他の疾患または病状は腸硬化症である。ある態様において、別の他の疾患または病状は全身性硬化症である。ある態様において、1の他の疾患または病状は、後腹膜線維症、増殖性線維症、腫瘍性線維症、腎性全身性線維症、注射線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、精管切除後痛症候群、またはリウマチ性関節炎である。] [0168] 本発明は、線維増殖性障害のある対象の治療方法を提供する。ある態様において、そのような方法は、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを線維増殖性障害のある対象に投与することを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。] [0169] さらに、本発明は、癌細胞のSPRY-1介在ERK情報伝達のモジュレーションによる特定の癌の標的化を含む癌のmiR-21に基づく治療に関する。miR-21は、一例を挙げると食道、結腸腺癌、乳癌、神経膠腫、膠芽細胞腫、卵巣癌、肝細胞癌、頭および首の癌、慢性リンパ球性白血病、膵臓癌を含む多くの種々の癌において過剰発現することが知られている。] [0170] したがって、本発明は、上記癌の診断、予防、および/または治療にも関する。特許請求の範囲に記載のすべての特徴は、これら癌種の開示と組み合わされよう。 ある投与経路] [0171] ある態様において、対象への投与は非経口投与を含む。ある態様において、対象への投与は静脈内投与を含む。ある態様において、対象への投与は皮下投与を含む。] [0172] ある態様において、対象への投与は動脈内投与を含む。ある態様において、対象への投与は心臓内投与を含む。心臓内投与に適した手段には、カテーテルの使用、または開心術中の投与が含まれる。] [0173] ある態様において、投与は肺投与を含む。ある態様において、肺投与は、吸入によりエアロゾル化したオリゴヌクレオチドを対象の肺に送達することを含む。エアロゾル化オリゴヌクレオチドを対象が吸入した後、オリゴヌクレオチドは、肺胞マクロファージ、好酸球、上皮、血管内皮、および細気管支上皮を含む正常および炎症肺組織の細胞に分配される。修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物の送達に適した装置には、限定されるものではないが標準的ネブライザー装置が含まれる。気道および肺の特定部分を標的とするネブライザー装置を用いる滴のサイズを調節するための方法および製剤は当業者によく知られている。さらなる適切な装置には乾燥粉末吸入器または定量吸入器が含まれる。] [0174] ある態様において、医薬組成物は、全身暴露より局所暴露を達成するために投与される。例えば、肺投与は、全身暴露を最小限にして医薬組成物を肺に送達する。] [0175] さらなる適切な投与経路には、例えば経口、直腸、経粘膜、腸、経腸、局所、坐剤(suppository)、髄腔内、静脈内、腹腔内、鼻内、眼内、筋肉内、髄内、および腫瘍内が含まれる。 臨床的結果] [0176] ある態様において、本発明の方法は、線維症があるかまたはその疑いがある対象に臨床的に望ましい結果を提供する。] [0177] ある態様において、臨床的に望ましい結果は心重量増加の改善である。あるそのような態様において、臨床的に望ましい結果は左心室拡大の改善である。ある態様において、a 臨床的に望ましい結果は短縮率障害の改善である。ある態様において、臨床的に望ましい結果は心重量増加の予防である。あるそのような態様において、臨床的に望ましい結果は左心室拡大の予防である。ある態様において、臨床的に望ましい結果は短縮率障害の予防である。] [0178] ある態様において、臨床的に望ましい結果は心機能の改善である。] [0179] ある態様において、臨床的に望ましい結果は線維症の改善である。ある態様において、臨床的に望ましい結果は、線維症のさらなる進行を減速させることである。ある態様において、臨床的に望ましい結果は線維症のさらなる進行を停止(halting)させることである。ある態様において、臨床的に望ましい結果は線維症の減少である。ある態様において、臨床的に望ましい結果はコラーゲン含有量の減少である。] [0180] ある態様において、治療的に望ましい結果は肝機能の改善である。肝機能は、特に血中肝トランスアミナラーゼ濃度を測定する肝機能検査により評価することができる。ある態様において、肝機能が異常な対象は、血中肝トランスアミナーゼが上昇している。血中肝トランスアミナーゼには、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が含まれる。ある態様において、肝機能が異常な対象は血中ビリルビンが上昇している。ある態様において、対象は、血中アルブミンレベルが異常である。ある態様において、本発明の方法は、ALT、AST、ビリルビンおよび/またはアルブミンの血中濃度を、これらの濃度の1またはそれ以上が正常範囲に近づくように変化させる。] [0181] ある態様において、対象の肝機能は、3クラスの肝機能を定義するChild-Pugh分類システムにより評価される。この分類システムにおいて、ビリルビン濃度、アルブミン濃度、プロトロンビン時間、腹水、および脳症の5つのカテゴリーの1つの測定値にポイントが割り当てられる。存在する以下の特徴のぞれぞれにつき1ポイントが割り当てられる:血中ビリルビン2.0 mg/dl以下;血中アルブミン3.5 mg/dl以上;プロトロンビン時間1.7国際標準化比(INR)以下;腹水なし、または脳症なし。存在する以下の特徴のそれぞれにつき2ポイントが割り当てられる:血中ビリルビン2〜3 mg/dl;血中ビリルビン3.5〜2.8 mg/dl;プロトロンビン時間1.7〜2.3INR;腹水が軽度〜中等度;または脳症が軽度。存在する以下の特徴のそれぞれにつき3ポイントが割り当てられる:血中ビリルビン3 mg/dl以上;血中アルブミン2.8 mg/dl以下;プロトロンビン時間2.3INR以上;腹水が重度〜難治性;または脳症が重度。スコアを加算して、5〜6ポイントのスコアをクラスAに割り当て、7〜9ポイントのスコアをクラスBに割り当て、10〜15ポイントのスコアをクラスCに割り当てる。ある態様において、本発明の方法は、Child-Pugh分類システムで測定される肝機能の改善をもたらす。 細胞表現形] [0182] 本発明は、線維芽細胞の細胞増殖の阻害方法を提供する。本発明は、線維芽細胞のアポトーシスを促進する方法も提供する。さらに、本発明は、線維芽細胞のSprouty 1タンパク質を増加させる方法を提供する。ある態様において、そのような方法は、修飾オリゴヌクレオチドを含み、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する化合物と線維芽細胞を接触させることを含む。ある態様において、miRNAはmiR-21である。] [0183] ある態様において、線維芽細胞がin vitroである。ある態様において、線維芽細胞はin vivoである。ある態様において、該接触はin vitroで生じる。ある態様において、該接触はin vivoで生じる。ある態様において、該接触はex vivoで生じる。 さらなる治療法] [0184] 線維症の治療は、2以上の治療法を含みうる。ある態様において、本発明は、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドの投与に加えて少なくとも1の治療法を施すことを含む、線維症があるかまたはその疑いがある対象の治療方法を提供する。] [0185] ある態様において、本発明の方法は、1またはそれ以上のさらなる医薬品を投与することを含む。ある態様において、さらなる医薬品には、限定されるものではないが、利尿剤(例えば、スプリオノラクトン、エプレレノン、フロセミド)、変力物質(例えばドブタミン、ミルリノン)、ジゴキシン、血管拡張剤、アンギオテンシンII変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ベナゼリル、キナプリル、フォシノプリル、およびラミプリル)、アンギオテンシンIIレセプター遮断薬(ARB)(例えば、カンデサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、ロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン)、カルシウムチャンネル遮断薬、イソソルビドジニトレート、ヒドララジン、ニトレート(例えば、イソソルビドモノニトレート、イソソルビドジニトレート)、ヒドララジン、ベータ遮断薬(例えば、カルベジロール、メトプロロール)、およびナトリウム利尿ペプチド(例えば、ネシリチド)が含まれる。] [0186] ある態様において、さらなる治療法は、以下のものを含む身体の免疫系を増強する医薬品でありうる:低用量シクロホスファミド、チモシチムリン、ビタミン、および栄養剤(例えばビタミンA、C、E、ベータカロチン、亜鉛、セレニウム、グルタチオン、コエンザイムQ-10、およびエチナセアを含む抗酸化剤)、およびワクチン、例えば、抗原の多量体的提示とアジュバントを組み合わせたワクチン製剤を含む疫刺激複合体(ISCOM)。] [0187] あるそのような態様において、さらなる治療法は、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物の副作用を治療または改善するために選ばれる。そのような副作用には、限定されるものではないが、注射部位の反応、肝機能検査異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系異常、およびミオパシーが含まれる。例えば、血清中のアミノトランスフェラーゼ濃度の増加は、肝毒性または肝機能異常を示すことがある。例えば、ビリルビンの増加は、肝毒性または肝機能異常を示すことがある。] [0188] ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬品は同時に投与される。ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬品は異なる時に投与される。ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬品は単一製剤で一緒に投与される。ある態様において、本発明の1またはそれ以上の医薬組成物および1またはそれ以上の他の医薬品は別個に製造される。 医薬組成物] [0189] ある態様において、本明細書に記載のmiRNAまたはその前駆体と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は線維症を治療するための医薬組成物として製造される。ある態様において、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、線維症を予防するための医薬組成物として製造される。] [0190] ある態様において、本発明の医薬組成物は投与単位の形(例えば、錠剤、カプセル剤、ボーラス剤など)で投与される。ある態様において、そのような医薬組成物は、以下から選ばれる用量の修飾オリゴヌクレオチドを含む:25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、270mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、670mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、および800mg。あるそのような態様において、本発明の医薬組成物は、以下から選ばれる用量の修飾オリゴヌクレオチドを含む:25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、500mg、600mg、700mg、および800mg。] [0191] ある態様において、医薬品は、適切な希釈剤、例えば注射用無菌水または注射用無菌生理食塩水で再構成される無菌凍結乾燥された修飾オリゴヌクレチドである。再構成された生成物は皮下注射としてまたは生理食塩水で希釈した後に静脈内注入として投与される。凍結乾燥製剤は、注射用水または注射用生理食塩水中で調製され、調製中に酸または塩基でpH7.0〜9.0に調整され、次いで凍結乾燥された修飾オリゴヌクレオチドからなる。凍結乾燥修飾オリゴヌクレオチドは25〜800 mgの修飾オリゴヌクレオチドでありうる。これは、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、および800 mgの修飾凍結乾燥オリゴヌクレオチドを含むと理解される。凍結乾燥製剤は、2mLのType I透明ガラスバイアル(硫酸アンモニウム処理)に包装され、ブロモブチルゴム栓でとめ、アルミニウムFLIP-OFF(登録商標)オーバーシールで封入することができる。] [0192] ある態様において、本発明の組成物は、さらに医薬組成物中に通常みられる他のアジュバント成分を確立された使用濃度で含むことができる。すなわち、例えば、該組成物はさらなる適合性の医薬活性物質、例えば、かゆみ止め薬、収斂剤、局所麻酔薬、または抗炎症剤などを含むか、または本発明組成物を種々の剤形に物理的に製剤化するのに有用なさらなる物質、例えば、染料、香味料、保存料、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤、および安定化剤を含むことができる。しかしながら、そのような物質を加えるときは本発明組成物の成分の生物活性と過度に干渉すべきではない。該製剤は、滅菌することができ、所望により、該製剤のオリゴヌクレオチドと有害な相互作用をしない助剤、例えば、潤滑剤、保存料、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色料、香味料、および/または芳香物質などと混合することができる。] [0193] ある態様において、本発明の医薬組成物は、1またはそれ以上の修飾オリゴヌクレオチドおよび1またはそれ以上の賦形剤を含む。あるそのような態様において、賦形剤は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンから選ばれる。] [0194] ある態様において、本発明の医薬組成物は、限定されるものではないが、混合、溶解、顆粒化、ドラジー化、ゲル化、乳化、カプセル化、封入、または錠剤化工程を含む既知の技術を用いて製造される。] [0195] ある態様において、本発明の医薬組成物は液体(例えば、サスペンジョン、エリキシル、および/または溶液)である。あるそのような態様において、液体医薬組成物は、限定されるものではないが、水、グリコール、油、アルコール、香味料、保存料、および着色料を含む当該分野で知られた成分を用いて製造される。] [0196] ある態様において、本発明の医薬組成物は固体(例えば、粉末、錠剤、および/またはカプセル)である。あるそのような態様において、1またはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含む固体医薬組成物は、限定されるものではないが、デンプン、糖、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤を含む当該分野で知られた成分を用いて製造される。] [0197] ある態様において、本発明の医薬組成物は、デポー製剤として製剤化される。あるそのようなデポー製剤は、典型的には非デポー製剤より長く作用する。ある態様において、そのような製剤は、埋め込み(例えば皮下または筋肉内に)または筋肉内注射により投与される。ある態様において、デポー製剤は、適切なポリマーまたは疎水性物質(例えば許容される油中のエマルジョン)またはイオン交換樹脂を用いるか、または難溶性誘導体、例えば難溶性の塩として製造される。] [0198] ある態様において、本発明の医薬組成物は送達系を含む。送達系の例には、例えばリポソームおよびエマルジョンが含まれる。ある送達系は疎水性化合物を含む医薬組成物を含むある医薬組成物を製造するのに有用である。ある態様において、ジメチルスルホキシドのようなある有機溶媒も用いられる。] [0199] ある態様において、本発明の医薬組成物は、本発明の1またはそれ以上の医薬品を特定の組織または細胞種に送達するように設計された1またはそれ以上の組織特異的送達分子を含む。例えば、ある態様において、医薬組成物は組織特異抗体でコートされたリポソームを含む。] [0200] ある態様において、本発明の医薬組成物は共溶媒系を含む。あるそのような共溶媒系には、例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水性相が含まれる。ある態様において、そのような共溶媒系は疎水性化合物に用いられる。そのような共溶媒系の非限定的例には、3% w/vベンジルアルコール、8% w/v非極性界面活性剤 Polysorbate 80(登録商標)、および65% w/vポリエチレングリコール300を含む無水エタノールの溶液であるVPD共溶媒系がある。そのような共溶媒系の割合は、その溶解性および毒性特性を大きく変化させることなくかなり変えることができる。さらに、共溶媒成分の独自性は変化しうる。例えば、他の界面活性剤をPolysorbate 80(登録商標)の代わりに用いることができ、ポリエチレングリコールの分画サイズを変化させることができ、他の生体適合性ポリマーでポリエチレングリコール、例えばポリビニルピロリドンを置換することができ、また、デキストロースを他の糖または多糖に置換することができる。] [0201] ある態様において、本発明の医薬組成物は持続放出系を含む。そのような持続放出系の非限定的例には、固体疎水ポリマーの半透過性マトリックスがある。ある態様において、持続放出系は、その化学的性質に応じて数時間、数日間、数週間、または数ヶ月間にわたり医薬品を放出する。] [0202] ある態様において、本発明の医薬組成物は経口投与用に製造される。あるそのような態様において、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチドを1またはそれ以上の医薬的に許容される担体を含む1またはそれ以上の化合物と混合することにより製剤化される。あるそのような担体は、医薬組成物を対象に経口投与するために錠剤、丸剤、ドラジー剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、サスペンジョン剤などとして製剤化するのを可能にする。ある態様において、経口用医薬組成物は、オリゴヌクレオチドと1またはそれ以上の固体賦形剤を混合することにより得られる。適切な賦形剤には、限定されるものではないが、増量剤、例えば、ラクトース、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などが含まれる。ある態様において、そのような混合物は粉末にされることがあり、助剤が加えられることがある。ある態様において、粉末組成物は、錠剤またはドラジー剤のコアが得られるように形成される。ある態様において、崩壊剤(例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウム)を加える。] [0203] ある態様において、ドラジー剤のコアはコーティングして提供される。あるそのような態様において、濃縮糖溶液を用いることができ、該濃縮糖溶液はアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含むことがありうる。染料または色素を錠剤またはドラジーコーティングに加えることができる。] [0204] ある態様において、経口投与用の医薬組成物は、ゼラチンでできた押し込み式カプセルである。あるそのような押し込み式カプセルは、1またはそれ以上の本発明医薬品を、1またはそれ以上の増量剤、例えば、ラクトース、結合剤、例えばデンプン、および/または潤滑剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および所望により安定化剤と共に含む。ある態様において、経口投与用医薬組成物は、ゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトール、でできた軟密封カプセル剤である。本発明の1またはそれ以上の医薬品は、適切な液体、例えば脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁される。さらに、安定化剤を加えることができる。] [0205] ある態様において、医薬組成物はバッカル投与用に製造される。あるそのような医薬組成物は、常套的に製剤化された錠剤またはローゼンジー剤である。] [0206] ある態様において、医薬組成物は、注射(例えば、静脈内、皮下、筋肉内など)投与用に製造される。あるそのような態様において、医薬組成物は担体を含み、水性溶液、例えば水または生理学的に適合性の緩衝液、例えばハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理食塩水緩衝液を用いて製剤化される。ある態様において、他の成分(例えば溶解性を助けるかまたは保存料として働く成分)を含む。ある態様において、注射可能サスペンジョン剤は、適切な液体担体、懸濁化剤などを用いて製造される。ある注射用医薬組成物は、単位剤形で、例えばアンプルまたは多用量容器中に存在する。ある注射用医薬組成物は、油状または水性ビークル中のサスペンジョン、溶液、またはエマルジョンであり、製剤化剤、例えば懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤を含みうる。注射用医薬組成物に用いるのに適した溶媒には、限定されるものではないが、脂溶性溶媒および脂肪油、例えばゴマ油、合成脂肪酸エステル、例えばエチルオレエートまたはトリグリセリド、およびリポソームが含まれる。水性注射用サスペンジョン剤は、該サスペンジョンの粘性を増加させる物質、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストランを含みうる。所望により、そのようなサスペンジョン剤は、適切な安定化剤、または医薬品の溶解性を増加させて高濃縮溶液の製造を可能にする物質も含みうる。] [0207] ある態様において、医薬組成物は経粘膜投与用に製造される。あるそのような態様において、透過すべき障壁に適した浸透剤を該製剤に用いる。そのような浸透剤は一般的に当該分野で知られている。] [0208] ある態様において、医薬組成物は吸入投与用に製造される。あるそのような吸入用医薬組成物は、加圧パックまたはネブライザー中のエアロゾルスプレーの形で製造される。あるそのような医薬組成物は、プロペラント、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスを含む。加圧エアロゾルを用いるある態様において、投与単位は定量を供給する弁により決定することができる。ある態様において、吸入剤または吸入器に用いるカプセルまたはカートリッジを製剤化することができる。あるそのような製剤には、本発明の医薬品と適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの粉末混合物が含まれる。] [0209] ある態様において、医薬組成物は肛門投与用に製造される(例えば坐剤または停留浣腸)。あるそのような医薬組成物は、既知成分、例えばココアバターおよび/または他のグリセリドを含む。] [0210] ある態様において、医薬組成物は局所投与用に製造される。あるそのような医薬組成物は無刺激性保湿基剤を含む(例えば軟膏またはクリーム)。典型的な適切な軟膏基剤には、限定されるものではないが、ワセリン、ワセリン+揮発性シリコン、およびラノリンおよび油中水エマルジョンが含まれる。典型的な適切なクリーム基剤には、限定されるものではないが、コールドクリームおよび親水性軟膏が含まれる。] [0211] ある態様において、本発明の医薬組成物は、治療的有効量の修飾オリゴヌクレオチドを含む。ある態様において、該治療的有効量は、疾患の症状を予防、軽減、または改善するか、または処置する対象の生存を延長するのに十分である。治療的有効量の決定は十分に当業者の能力範囲内である。] [0212] ある態様において、1またはそれ以上の本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、プロドラッグとして製剤化される。ある態様において、in vivo投与するとプロドラッグは、修飾オリゴヌクレオチドの生物学的、医薬的、または治療的により活性な形に化学的に変換される。ある態様において、プロドラッグは、対応する活性型より投与しやすいので有用である。例えば、場合によっては、プロドラッグは対応する活性型より生体利用能が高いことがある(例えば経口投与による)。場合によっては、プロドラッグは対応する活性型にくらべて溶解性が改善していることがある。ある態様において、プロドラッグは対応する活性型より水溶性が低い。場合により、そのようなプロドラッグは、水溶性が流動性に有害である細胞膜に対する優れた透過性を有する。ある態様において、プロドラッグはエステルである。あるそのような態様において、該エステルは、投与すると代謝的に加水分解されてカルボン酸になる。場合により、該カルボン酸を含む化合物は対応する活性型である。ある態様において、プロドラッグは酸基と結合した短ペプチド(ポリアミノ酸)を含む。あるそのような態様において、該ペプチドは投与すると開裂し、対応する活性型を形成する。] [0213] ある態様において、プロドラッグは、in vivo投与すると再生されるように医薬活性化合物を修飾することにより製造される。該プロドラッグは、薬剤の代謝安定性または輸送特性が変化するか、副作用や毒性をマスクするか、薬剤の風味を改善するか、または薬剤の他の特性または性質が変化するように設計することができる。in vivoの薬力学的プロセスおよび薬物代謝の知識により、当業者は医薬活性化合物がわかれば該化合物のプロドラッグを設計することができる(例えばNogrady(1985)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach、OxfoRd University Pres、New York、pages 388-392参照)。 化合物] [0214] ある態様において、本発明が提供する方法は、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物の投与を含む。ある態様において、該化合物は修飾オリゴヌクレオチドからなる。] [0215] あるそのような態様において、化合物には相補鎖とハイブリダイズした修飾オリゴヌクレオチドが含まれる。すなわち化合物には二本鎖オリゴマー化合物が含まれる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの相補鎖とのハイブリダイゼーションは、少なくとも1の平滑末端を形成する。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの相補鎖とのハイブリダイゼーションは、二本鎖オリゴマー化合物の各末端に平滑末端を形成する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの末端は、相補鎖の結合ヌクレオシドの数に比べて1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドを含む。ある態様において、該1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの5'末端にある。ある態様において、該1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの3'末端にある。ある態様において、1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドのヌクレオシドの少なくとも1の核酸塩基は、標的RNAと相補的である。ある態様において、各1またはそれ以上のさらなるヌクレオシドの各核酸塩基は標的RNAと相補的である。ある態様において、相補鎖の末端は、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数に対して1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドを含む。ある態様において、1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドは、相補鎖の3'末端にある。ある態様において、1またはそれ以上のさらなる結合ヌクレオシドは相補鎖の5'末端にある。ある態様において、2つのさらなる結合ヌクレオシドが末端に結合している。ある態様において、1つのさらなるヌクレオシドが末端に結合している。] [0216] ある態様において、化合物は、得られるアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性、細胞への分散、または細胞への取り込みを増強する1またはそれ以上の部分と結合した修飾オリゴヌクレオチドを含む。あるそのような態様において、該部分はコレステロール部分または脂質部分である。結合のためのさらなる部分には、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、ホーレート、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、および染料が含まれる。ある態様において、結合基は、修飾オリゴヌクレオチドと直接結合している。ある態様において、結合基は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、不飽和(例えば、二重または三重結合)、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシニミジル 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、6-アミノヘキサン酸(AHEXまたはAHA)、置換C1-C10アルキル、置換または非置換C2-C10アルケニル、および置換または非置換C2-C10アルキニルから選ばれる連結部分により修飾オリゴヌクレオチドと結合している。あるそのような態様において、置換基は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、およびアルキニルから選ばれる。] [0217] あるそのような態様において、該化合物は、例えばヌクレアーゼ安定性のような特性を増強するように修飾オリゴヌクレオチドの1または両末端と結合している1またはそれ以上の安定化基を有する修飾オリゴヌクレオチドを含む。安定化基にはキャップ構造が含まれる。これらの末端修飾は、修飾オリゴヌクレオチドをエクソヌクレアーゼによる分解から保護し、細胞内の送達および/または局在を助けることができる。該キャップは5'末端(5'キャップ)または3'末端(3'キャップ)、または両末端に存在することができる。キャップ構造には、例えば、反転デオキシ脱塩基キャップが含まれる。] [0218] 適切なキャップ構造には、4',5'-メチレンヌクレオチド、1-(ベータ-D-エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4'-チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド、1,5-アンヒドロヘキシトールヌクレオチド、L-ヌクレオチド、アルファ-ヌクレオチド、修飾塩基ヌクレオチド、ホスホロジチオエート結合、トレオペントラノシルヌクレオチド、非環式3',4'-セコヌクレオチド、非環式3,4-ジヒドキシブチルヌクレオチド、非環式3,5-ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3'-3'-反転ヌクレオチド部分、3'-3'-反転脱塩基部分、3'-2'-反転ヌクレオチド部分、3'-2'-反転脱塩基部分、1,4-ブタンジオールホスフェート、3'-ホスホラミデート、ヘキシルホスフェート、アミノヘキシルホスフェート、3'-ホスフェート、3'-ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、架橋メチルホスホネート部分、および非架橋メチルホスホネート部分 5'-アミノ-アルキルホスフェート、1,3-ジアミノ-2-プロピルホスフェート、3-アミノプロピルホスフェート、6-アミノヘキシルホスフェート、1,2-アミノドデシルホスフェート、ヒドロキシプロピルホスフェート、5'-5'-反転ヌクレオチド部分、5'-5'-反転脱塩基部分、5'-ホスホラミデート、5'-ホスホロチオエート、5'-アミノ、架橋および/または非架橋5'-ホスホラミデート、ホスホロチオエート、および5'-メルカプト部分が含まれる。 核酸塩基配列] [0219] 本発明は線維症の治療または予防方法を提供する。ある態様において、該方法は、修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を投与することを含む。ある態様において、該方法は修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体と相補的な配列を有する。ある態様において、miRNAはmiR-21である。] [0220] 本明細書に記載の成熟miRNAの核酸塩基配列およびその対応するステムループ配列は、miRNA配列のオンラインで検索できるデータベースおよび注釈(http://microrna.sanger.ac.uk/参照)に記載の配列である。miRBase配列データベースに入ると、miRNA転写物の推定ヘアピン部分(ステムループ)と成熟miRNA配列の位置と配列に関する情報がわかる。該データベース中のmiRNAステムループ配列は厳密には前駆体miRNA(プレ-miRNA)ではなく、場合により、プレ-miRNAと推定一次転写物由来のある隣接配列を含むかもしれない。本明細書に記載のmiRNA 核酸塩基配列は、miRBase配列データベースのリリース10.0に記載の配列、およびmiRBase配列データベースのあらゆるより初期のリリースに記載の配列を含むmiRNAのあらゆるバージョンを含む。配列データベースのリリースは、あるmiRNA名の変更をもたらすかもしれない。配列データベースのリリースは、成熟miRNA配列の変化をもたらすかもしれない。本発明の化合物は、本明細書に記載のmiRNAのあらゆる核酸塩基配列バージョンと相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む。] [0221] 本明細書に記載のあらゆる核酸塩基配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に対するあらゆる修飾から独立していると理解される。さらに、Uを含む核酸塩基配列は、「U」を有する1またはそれ以上の位置で「U」が「T」で置換している同じ核酸塩基配列も含むと理解される。反対に、Tを含む核酸塩基配列は、「T」を有する1またはそれ以上の位置で「T」が「U」で置換している同じ核酸塩基配列も含むと理解される。] [0222] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有し、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ以上の核酸塩基の領域にわたってmiRNAまたはその前駆体の相補物と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、または99%同一であるか、または該2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。したがって、ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、その標的miRNAまたは標的miRNA前駆体配列に関して1またはそれ以上のミスマッチ塩基対を有することがあり、その標的配列とハイブリダイズすることができる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAまたはその前駆体と100%相補的である核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列はmiRNAと完全長の相補性を有する。] [0223] ある態様において、miR-21は、核酸塩基配列5'-UAGCUUAUCAGACUGAUGUUGA-3'(配列番号1)を有する。ある態様において、miR-21ステムループ配列は核酸塩基配列 5'-UGUCGGGUAGCUUAUCAGACUGAUGUUGACUGUUGAAUCUCAUGGCAACACCAGUCGAUGGGCUGUCUGACA-3'(配列番号11)を有する。] [0224] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1記載のmiR-21の核酸塩基配列と相補的な配列を有する。] [0225] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号11記載のmiR-21ステムループ配列の核酸塩基配列と相補的な配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号11の核酸塩基8〜29の領域と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号11の核酸塩基46〜66の領域と相補的な配列を有する。] [0226] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは核酸塩基配列5'-UCAACAUCAGUCUGAUAAGCUA-3'(配列番号12)を含む核酸塩基配列を有する。] [0227] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号12に記載の核酸塩基配列からなる核酸塩基配列を有する。] [0228] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、miR-21を含むpri-miR配列の核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。] [0229] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1記載の核酸塩基配列と少なくとも80%の同一性を有する核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1記載の核酸塩基配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、または少なくとも98%の同一性を有する核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。] [0230] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号11記載のmiR-21ステムループ配列の核酸塩基配列と少なくとも80%の同一性を有する核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号11記載のmiR-21 ステムループ配列の核酸塩基配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも96%、または少なくとも98%の同一性を有する核酸塩基配列と相補的な核酸塩基配列を有する。] [0231] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、本明細書に記載のmiRNAの核酸塩基配列またはその前駆体と完全長の相補性を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、成熟miRNAまたはその前駆体の核酸塩基配列に対して1つのミスマッチを有する核酸塩基配列を有する。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、該miRNAまたはその前駆体の核酸塩基配列に対して2つのミスマッチを有する核酸塩基配列を有する。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、成熟miRNAまたはその前駆体の核酸塩基配列に対してわずか2つのミスマッチを有する核酸塩基配列を有する。あるそのような態様において、ミスマッチ核酸塩基は隣接している。あるそのような態様において、該ミスマッチ核酸塩基は隣接していない。] [0232] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、相補的な成熟miRNAの長さと等しい多くの結合ヌクレオシドからなる。] [0233] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、相補的な成熟miRNAの長さより短い。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、相補的な成熟miRNAの長さより1つ短い。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、5'末端が1ヌクレオシド短い。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、3'末端が1ヌクレオシド短い。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、5'末端が2ヌクレオシド短い。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、3'末端が2ヌクレオシド短い。修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基がmiRNAの対応する位置の各核酸塩基と相補的なmiRNAの長さより短い多くの結合ヌクレオシドを有する修飾オリゴヌクレオチドは、miRNA配列配列の部分と100%相補的な核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチドであると考えられる。] [0234] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、相補的なmiRNAの長さより長い。あるそのような態様において、さらなるヌクレオシドの核酸塩基は、miRNAステムループ配列の核酸塩基と相補的である。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、それと相補的なmiRNAの長さより1個長い。あるそのような態様において、さらなるヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチドの5'末端にある。あるそのような態様において、さらなるヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチドの3'末端にある。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの結合ヌクレオシドの数は、それと相補的なmiRNAの長さより2個長い。あるそのような態様において、該2個のさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの5'末端にある。あるそのような態様において、該2個のさらなるヌクレオシドは、修飾オリゴヌクレオチドの3'末端にある。1個のさらなるヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチドの5'末端にあり、1個のさらなるヌクレオシドは修飾オリゴヌクレオチドの3'末端にある。] [0235] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列の部分は、miRNAの核酸塩基配列と100%相補的であるが、該修飾オリゴヌクレオチドはその完全長にわたり100%相補的ではない。ある態様において、100%相補的な部分を有する修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの数は、miRNAの長さより長い。例えば、ヌクレオシド1〜23の核酸塩基が長さ23核酸塩基のmiRNAの対応する位置とそれぞれ相補的である24結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAの核酸塩基配列と100%相補的相補的な23ヌクレオシド部分を有し、miRNAの核酸塩基配列と全体として約96%の相補性を有する。] [0236] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列は、miRNAの核酸塩基配列の部分と100%相補的である。例えば、ヌクレオシド1〜22の核酸塩基が長さ23核酸塩基のmiRNAの対応する部分とそれぞれ相補的な22結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドは、miRNAの核酸塩基配列の22核酸塩基部分と100%相補的%相補的である。そのような修飾オリゴヌクレオチドは、完全なmiRNAの核酸塩基配列と全体で約96%の相補性を有し、miRNAの22核酸塩基部分と100%の相補性を有する。] [0237] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列の部分は、miRNAまたはその前駆体の核酸塩基配列の部分と100%相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの15連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の15連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの16連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の16連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの17連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の17連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの18連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の18連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの19連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の19連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの20連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の20連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの22連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の22連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの23連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の23連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの24連続核酸塩基は、miRNAまたはその前駆体の24連続核酸塩基とそれぞれ相補的である。 修飾オリゴヌクレオチド] [0238] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは12〜30結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは15〜25結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは19〜24結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは21〜24結合ヌクレオシドからなる。] [0239] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは12結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは13結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは14結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは15結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは16結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは17結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは18結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは19結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは20結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは21結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは22結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは23結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは24結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは結25合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは26結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは27結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは28結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは29結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは30結合ヌクレオシドからなる。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号12の連続核酸塩基から選ばれる結合ヌクレオシドを含む。 修 飾] [0240] 本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、核酸塩基、糖、および/またはヌクレオシド間結合に1またはそれ以上の修飾を含む。修飾核酸塩基、糖、および/またはヌクレオシド間結合は、細胞への取り込みの増加、他のオリゴヌクレオチドまたは核酸標的に対する親和性の増加、およびヌクレアーゼ存在下での安定性の増加などの望ましい特性のため非修飾型以上に選択されうる。] [0241] ある態様において、本発明の修飾オリゴヌクレオチドは1またはそれ以上の修飾ヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、修飾ヌクレオシドは安定化ヌクレオシドである。安定化ヌクレオシドの例は、糖-修飾ヌクレオシドである。] [0242] ある態様において、修飾ヌクレオシドは糖-修飾ヌクレオシドである。あるそのような態様において、糖-修飾ヌクレオシドは、さらに天然または修飾複素環塩基部分および/または天然または修飾ヌクレオシド間結合を含むことができ、さらに該糖修飾と独立してさらなる修飾を含むことがある。ある態様において、糖修飾ヌクレオシドは、糖環が天然リボースまたは2'-デオキシ-リボース由来の2'炭素で修飾されている2'-修飾ヌクレオシドである。] [0243] ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは二環式糖部分を有する。あるそのような態様において、該二環式糖部分はアルファ配置のD糖である。あるそのような態様において、該二環式糖部分はベータ配置のD糖である。あるそのような態様において、該二環式糖部分はアルファ配置のL糖である。あるそのような態様において、該二環式糖部分はベータ配置のL糖である。] [0244] ある態様において、該二環式糖部分は、2'炭素原子と4'-炭素原子間の架橋基を含む。あるそのような態様において、該架橋基は、1〜8結合ビラジカル基を含む。ある態様において、該二環式糖部分は、1〜4結合ビラジカル基を含む。ある態様において、該二環式糖部分は、2または3結合ビラジカル基を含む。ある態様において、該二環式糖部分は2結合ビラジカル基を含む。ある態様において、結合ビラジカル基は、-O-、-S-、-N(R1)-、-C(R1)(R2)-、-C(R1)=C(R1)-、-C(R1)=N-、-C(=NR1)-、-Si(R1)(R2)-、-S(=O)2-、-S(=O)-、-C(=O)-および-C(=S)-(ここで、各R1およびR2は独立してH、ヒドロキシル、C1-C12アルキル、置換C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、置換C2-C12 アルケニル、C2-C12アルキニル、置換C2-C12アルキニル、C5-C20アリール、置換C5-C20 アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5-C7脂環式ラジカル、置換C5-C7脂環式ラジカル、ハロゲン、置換オキシ(-O-)、アミノ、置換アミノ、アジド、カルボキシル、置換カルボキシル、アシル、置換アシル、CN、チオール、置換チオール、スルホニル(S(=O)2-H)、置換スルホニル、スルホキシル(S(=O)-H)、または置換スルホキシルから選ばれ、各置換基は、独立してハロゲン、C1-C12アルキル、置換C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、置換C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル、置換C2-C12アルキニル、アミノ、置換アミノ、アシル、置換アシル、C1-C12アミノアルキル、C1-C12アミノアルコキシ、置換C1-C12アミノアルキル、置換C1-C12アミノアルコキシ、または保護基である。] [0245] ある態様において、該二環式糖部分は、-O-(CH2)p-、-O-CH2-、-O-CH2CH2-、-O-CH(アルキル)-、-NH-(CH2)p-、-N(アルキル)-(CH2)p-、-O-CH(アルキル)-、-(CH(アルキル))-(CH2)p-、-NH-O-(CH2)p-、-N(アルキル)-O-(CH2)p-、または-O-N(アルキル)-(CH2)p-(ここでpは、1、2、3、4、または5であり、各アルキル基はさらに置換されうる)から選ばれるビラジカル基で2'炭素原子と4'炭素原子の間が架橋される。ある態様において、pは、1、2、または3である。] [0246] ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF3、OCF3、O-、S-、またはN(Rm)-アルキル;O-、S-、またはN(Rm)-アルケニル;O-、S-もしくはN(Rm)-アルキニル;O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、またはO-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)(ここで、各RmおよびRnは、独立してH、アミノ保護基、または置換または非置換C1-C10アルキルである)から選ばれる2'-置換基を含む。これら2'-置換基は、さらにヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO2)、チオール、チオアルコキシ(S-アルキル)、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、およびアルキニルから独立して選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換することができる。] [0247] ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、F、NH2、N3、OCF3、O-CH3、O(CH2)3NH2、CH2-CH=CH2、O-CH2-CH=CH2、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O N(Rm)(Rn)、-O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、およびN-置換アセトアミド(O-CH2-C(=O)-N(Rm)(Rn)(ここで、各RmおよびRnは、独立してH、アミノ保護基、または置換または非置換C1-C10アルキルである)から選ばれる2'-置換基を含む。] [0248] ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、F、OCF3、O-CH3、OCH2CH2OCH3、2'-O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(CH3)2、-O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2、およびO-CH2-C(=O)-N(H)CH3から選ばれる2'-置換基を含む。] [0249] ある態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、F、O-CH3、およびOCH2CH2OCH3から選ばれる2'-置換基を含む。] [0250] ある態様において、糖-修飾ヌクレオシドは4'-チオ修飾ヌクレオシドである。ある態様において、糖-修飾ヌクレオシドは4'-チオ-2'-修飾ヌクレオシドである。4'-チオ修飾ヌクレオシドは、4'-Oが4'-Sで置換されているβ-D-リボヌクレオシドを有する。4'-チオ-2'-修飾ヌクレオシドは、2'-置換基で置換された2'-OHを有する4'-チオ修飾ヌクレオシドである。適切な2'-置換基には、2'-OCH3、2'-O-(CH2)2-OCH3、および2'-Fが含まれる。] [0251] ある態様において、本発明の修飾オリゴヌクレオチドは、1またはそれ以上のヌクレオシド間修飾を含む。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、修飾ヌクレオシド間結合はリン原子を含む。] [0252] ある態様において、本発明の修飾オリゴヌクレオチドは少なくとも1のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。] [0253] ある態様において、修飾ヌクレオシド間結合はリン原子を含まない。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は短鎖アルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、シクロアルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、混合ヘテロ原子およびアルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、混合ヘテロ原子およびシクロアルキルヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、1またはそれ以上の短鎖ヘテロ原子ヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、1またはそれ以上の複素環ヌクレオシド間結合により形成される。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合はアミド骨格を有する。あるそのような態様において、ヌクレオシド間結合は、混合N、O、S、およびCH2成分部分を有する。] [0254] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは1またはそれ以上の修飾核酸塩基を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは1またはそれ以上の5-メチルシトシンを含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各シトシンは5-メチルシトシンを含む。] [0255] ある態様において、修飾核酸塩基は、5-ヒドロキシメチルシトシン、7-デアザグアニン、および7-デアザアデニンから選ばれる。ある態様において、修飾核酸塩基は、7-デアザアデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、および2-ピリドンから選ばれる。ある態様において、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、およびN-2、N-6、およびO-6置換プリン(2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、および5-プロピニルシトシンを含む)から選ばれる。] [0256] ある態様において、修飾核酸塩基には多環複素環が含まれる。ある態様において、修飾核酸塩基には3環複素環が含まれる。ある態様において、修飾核酸塩基にはフェノキサジン誘導体が含まれる。ある態様において、該フェノキサジンをさらに修飾して、当該分野でGクランプとして知られた核酸塩基を形成することができる。 オリゴヌクレオチドモチーフ] [0257] 本発明の修飾オリゴヌクレオチドに対する適切なモチーフには、限定されるものではないが、完全に修飾され、均質に修飾され、位置的に置換されたもの、およびギャップマーが含まれる。均質修飾モチーフを含む完全修飾モチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、成熟miRNAを標的化するよう設計することができる。あるいはまた、均質修飾モチーフを含む完全修飾モチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、pri-miRNAsまたはプレ-miRNAのある部位を標的化し、成熟miRNA中のmiRNA前駆体のプロセシングを阻害するように設計することができる。完全修飾モチーフまたは均質修飾モチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、miRNA活性の有効な阻害剤である。] [0258] ある態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドは各ヌクレオシドに糖修飾を含む。あるそのような態様において、複数のヌクレオシドが2'-O-メトキシエチルヌクレオシドであり、残りのヌクレオシドが2'-フルオロヌクレオシドである。あるそのような態様において、複数のヌクレオシドのそれぞれが2'-O-メトキシエチルヌクレオシドであり、複数のヌクレオシドのそれぞれが二環式ヌクレオシドである。あるそのような態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドは、さらに少なくとも1の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、完全糖修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、完全糖修飾オリゴヌクレオチドは、さらに少なくとも1のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、完全糖修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。] [0259] ある態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドは各ヌクレオシド間結合で修飾されている。あるそのような態様において、完全修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。] [0260] ある態様において、均質修飾オリゴヌクレオチドは各ヌクレオシドに同じ糖修飾を含む。あるそのような態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチル糖修飾を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは2'-O-メチル糖修飾を含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは2'-フルオロ糖修飾を含む。あるそのような態様において、均質修飾オリゴヌクレオチドはさらに少なくとも1の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、均質修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、均質修飾オリゴヌクレオチドはさらに少なくとも1のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、均質修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。] [0261] ある態様において、均質修飾オリゴヌクレオチドは全体に同じヌクレオシド間結合修飾を含む。あるそのような態様において、均質修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。] [0262] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは各ヌクレオシドに同じ糖修飾を含み、さらに1またはそれ以上のヌクレオシド間結合修飾を含む。あるそのような態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは5'末端に1個の修飾ヌクレオシド間結合を、3'末端に1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは5'末端に2個の修飾ヌクレオシド間結合を、3'末端に2個の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは5'末端に2個の修飾ヌクレオシド間結合を、3'末端に3個の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、該修飾オリゴヌクレオチドは5'末端に2個の修飾ヌクレオシド間結合を、3'末端に4個の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、該修飾ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。] [0263] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは下記式III: (5')QxQz1(Qy)nQz2Qz3Qz4Q-L(3') で示される。] [0264] あるそのような態様において、化合物は式IIIで示される。ある態様において、Qは2'-O-メチル修飾ヌクレオシドである。ある態様において、xはホスホロチオエートである。ある態様において、yはホスホジエステルである。ある態様において、z1、z2、z3、およびz4のぞれぞれが、独立してホスホロチオエートまたはホスホジエステルである。ある態様において、nは6〜17である。ある態様において、Lはコレステロールである。ある態様において、nは12〜17である。] [0265] ある態様において、xは、 である; AおよびBの1つがSであり、他方がOである; yは、 である; z1、z2、z3、およびz4はそれぞれ独立してxまたはyである; n = 6〜17である; Lは、 である; ここで、XはN(CO)R7またはNR7である; R1、R3、およびR9はそれぞれ独立してH、OH、または-CH2ORbである; ただし、R1、R3およびR9の少なくとも1がOHであり、R1、R3およびR9の少なくとも1つが-CH2ORbである; R7は、Rd、またはNRcRdもしくはNHC(O)Rdで置換されたC1-C20アルキルである; RcはHまたはC1-C6アルキルである; Rdは、炭化水素ラジカル、または少なくとも1の炭化水素ラジカルと結合していることがあるステロイドラジカルである; Rbは、 であり、ここで、AおよびBの1つがSであり、他方がOである。] [0266] ある態様において、Rdはコレステロールである。ある態様において、z1、z2、z3、およびz4のそれぞれが、 であり、ここで、AおよびBの1つがSであり、他方がOである。] [0267] ある態様において、R1が-CH2ORbである。ある態様において、R9がOHである。ある態様において、R1およびR9がトランスである。ある態様において、R9がOHである。ある態様において、R1およびR3がトランスである。ある態様において、R3が-CH2ORbである。ある態様において、R1がOHである。ある態様において、R1およびR3がトランスである。ある態様において、R9がOHである。ある態様において、R3およびR9がトランスである。ある態様において、R9がCH2ORbである。ある態様において、R1がOHである。ある態様において、R1およびR9がトランスである。ある態様において、XがNC(O)R7である。ある態様において、R7が-CH2(CH2)3CH2NHC(O)Rdである。] [0268] ある態様において、位置的に修飾されたオリゴヌクレオチドは結合ヌクレオシドの領域を含み、ここで、各領域の各ヌクレオシドは同じ糖部分を含み、各領域の各ヌクレオシドは隣接領域のそれとは異なる糖部分を含む。] [0269] ある態様において、位置的に修飾されたオリゴヌクレオチドは少なくとも10の2'-フルオロ修飾ヌクレオシドを含む。そのような位置的に修飾されたオリゴヌクレオチドは、下記式I: 5'-T1-(Nu1-L1)n1-(Nu2-L2)n2-Nu2-(L3-Nu3)n3-T2-3' で示され; ここで、 各Nu1およびNu3は独立して安定化ヌクレオシドである; 少なくとも10のNu2は2'-フルオロヌクレオシドである; 各L1、L2、およびL3は独立してヌクレオシド間結合である; 各T1およびT2は独立してH、ヒドロキシル保護基、所望により結合した結合基、またはカップリング基である; n1は0〜約3である; n2は約14〜約22である; n3は0〜約3である; ただし、n1が0であるときは、T1はHまたはヒドロキシル保護基ではなく、n3が0であるときは、T2はHまたはヒドロキシル保護基ではない。] [0270] あるそのような態様において、n1およびn3はそれぞれ独立して1〜約3である。ある態様において、n1およびn3はそれぞれ独立して2〜約3である。ある態様において、n1は1または2であり、n3は2または3である。ある態様において、n1およびn3は各2である。ある態様において、n1およびn3の少なくとも1は0より大きい。ある態様において、n1およびn3はそれぞれ0より大きい。ある態様において、n1およびn3の1つが0より大きい。ある態様において、n1およびn3の1つが1より大きい。] [0271] ある態様において、n2は16〜20である。ある態様において、n2は17〜19である。ある態様において、n2は18である。ある態様において、n2は19である。ある態様において、n2は20である。] [0272] ある態様において、約2〜約8のNu2ヌクレオシドが安定化ヌクレオシドである。ある態様において、約2〜約6のNu2ヌクレオシドが安定化ヌクレオシドである。ある態様において、約3〜約4のNu2ヌクレオシドが安定化ヌクレオシドである。ある態様において、3のNu2ヌクレオシドが安定化ヌクレオシドである。] [0273] ある態様において、Nu2安定化ヌクレオシドのぞれぞれが2〜約8の2'-フルオロヌクレオシドによりNu3安定化ヌクレオシドから分離している。ある態様において、Nu2安定化ヌクレオシドのぞれぞれが3〜約8の2'-フルオロヌクレオシドによりNu3安定化ヌクレオシドから分離している。ある態様において、Nu2安定化ヌクレオシドのそれそれが5〜約8の2'-フルオロヌクレオシドによりNu3安定化ヌクレオシドから分離している。] [0274] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは2〜約6のNu2安定化ヌクレオシドを含む。ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドは3のNu2安定化ヌクレオシドを含む。] [0275] ある態様において、Nu2安定化ヌクレオシドのぞれぞれが一緒に結合して1の連続配列になっている。ある態様において、少なくとも2のNu2安定化ヌクレオシドは少なくとも1の該2'-フルオロヌクレオシドにより分離している。ある態様において、Nu2安定化ヌクレオシドのそれぞれは少なくとも1の該2'-フルオロヌクレオシドで分離している。] [0276] ある態様において、Nu2 2'-フルオロヌクレオシドの少なくとも2の連続配列は、少なくとも1の安定化ヌクレオシドにより分離しており、該連続配列のそれぞれが同数の2'-フルオロヌクレオシドを有する。] [0277] ある態様において、T1およびT2はそれぞれ独立してHまたはヒドロキシル保護基である。ある態様において、T1およびT3の少なくとも1は、4,4'-ジメトキシトリチルである。ある態様において、T1およびT2の少なくとも1は所望により結合した結合基である。ある態様において、T1およびT2の少なくとも1はキャッピング基である。ある態様において、キャッピング基は反転デオキシ脱塩基基である。] [0278] ある態様において、位置的に修飾されたオリゴヌクレオチドは少なくとも1の修飾ヌクレオシド間結合を含む。あるそのような態様において、位置的に修飾されたオリゴヌクレオシドの各ヌクレオシド間結合は修飾ヌクレオシド間結合である。ある態様において、位置的に修飾されたオリゴヌクレオチドの少なくとも1のヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。あるそのような態様において、位置的に修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。] [0279] ある態様において、位置的に修飾されたモチーフは、結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを表す下記式II: T1-(Nu1)n1-(Nu2)n2-(Nu3)n3-(Nu4)n4-(Nu5)n5-T2 で示される; ここで、Nu1およびNu5は独立して2'安定化ヌクレオシドである; Nu2およびNu4は2'-フルオロヌクレオシドである; Nu3は2'-修飾ヌクレオシドである; n1およびn5はぞれぞれ独立して0〜3である; n2+n4の合計は10〜25である; n3は0〜5である; 各T1およびT2は独立してH、ヒドロキシル保護基、所望により結合した結合基、またはキャッピング基である。] [0280] ある態様において、n2とn4の合計が16である。ある態様において、n2とn4の合計が17である。ある態様において、n2およびn4の合計が18である。ある態様において、n1は2であり、n3が2または3であり、n5が2である。] [0281] ある態様において、Nu1およびNu5は独立して2'-修飾ヌクレオシドである。] [0282] ある態様において、Nu1がO-(CH2)2-OCH3であり、Nu3がO-(CH2)2-OCH3、Nu5がO-(CH2)2-OCH3であり、T1がHであり、T2がHである。] [0283] ある態様において、miRNAと相補的な22結合ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドは、表Aから選ばれる式IIを有する(ここで、各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である)。ある態様において、表Aから選ばれる式IIを有する修飾オリゴヌクレオチドは配列番号12の核酸塩基配列を有する。] [0284] ギャップマーモチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、結合2'-デオキシヌクレオチドからなる内部領域、および結合2'-修飾ヌクレオシドからなる外部領域を有することがある。そのようなギャップマーは、miRNA前駆体のRNアーゼH開裂を引き起こすように設計することができる。内部2'-デオキシヌクレオシド領域は、修飾オリゴヌクレオチドが標的化されるmiRNA前駆体の開裂を可能にするRNアーゼHの基質として働く。ある態様において、各外部領域の各ヌクレオシドは、同じ2'-修飾ヌクレオシドを含む。ある態様において、1の外部領域は均質に第一2'-修飾ヌクレオシドからなり、他の外部領域は均質に第二2'-修飾ヌクレオシドからなる。] [0285] ギャップマーモチーフを有する修飾オリゴヌクレオチドは、各ヌクレオシドに糖修飾を有することがある。ある態様において、該内部領域は均質に第一2'-修飾ヌクレオシドからなり、該ウイングのそれぞれは均質に第二2'-修飾ヌクレオシドからなる。あるそのような態様において、該内部領域は、均質に2'-フルオロヌクレオシドからなり、各外部領域は、均質に2'-O-メトキシエチルヌクレオシドからなる。] [0286] ある態様において、ギャップマーの各外部領域は結合2'-O-メトキシエチルヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーの各外部領域は結合2'-O-メチルヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーの各外部領域は2'-フルオロヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーの各外部領域は、結合二環式ヌクレオシドからなる。] [0287] ある態様において、ギャップマーの1外部領域の各ヌクレオシドは2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは異なる2'-修飾を含む。あるそのような態様において、ギャップマーの各外部領域の各ヌクレオシドは2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは2'-O-メチルヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーの1外部領域の各ヌクレオシドは、2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは2'-フルオロヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーの1外部領域の各ヌクレオシドは2'-O-メチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは2'-フルオロヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーの1外部領域の各ヌクレオシドは2'-O-メトキシエチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは二環式ヌクレオシドを含む。あるそのような態様において、ギャップマーの1外部領域の各ヌクレオシドは2'-O-メチルヌクレオシドを含み、その他の外部領域の各ヌクレオシドは二環式ヌクレオシドを含む。] [0288] ある態様において、1外部領域のヌクレオシドは2またはそれ以上の糖修飾を含む。ある態様において、各外部領域のヌクレオシドは2またはそれ以上の糖修飾を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-O-メトキシエチル糖を含み、同じ外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-フルオロ糖を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-O-メトキシエチル糖を含み、同じ外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは二環式糖部分を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-O-メチル糖を含み、同じ外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは二環式糖部分を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-O-メチル糖を含み、同じ外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-フルオロ糖を含む。ある態様において、外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは2'-フルオロ糖を含み、同じ外部領域の少なくとも1のヌクレオシドは二環式糖部分を含む。] [0289] ある態様において、ギャップマーの各外部領域は、同数の結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、ギャップマーの1外部領域はその他の外部領域と異なる多くの結合ヌクレオシドからなる。] [0290] ある態様において、該外部領域は、独立して1〜6のヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は1ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は2ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は3ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は4ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は5ヌクレオシドを含む。ある態様において、外部領域は6ヌクレオシドを含む。ある態様において、該内部領域は17〜28結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は17〜21結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は17結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は18結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は19結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は20結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は21結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は22結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は23結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は24結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は25結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は26結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は27結合ヌクレオシドからなる。ある態様において、内部領域は28結合ヌクレオシドからなる。 定量分析] [0291] 修飾オリゴヌクレオチド投与後のmiRNAのアンチセンス阻害効果は、当該分野で知られた種々の方法により評価することができる。ある態様において、これらの方法を用いてin vitroまたはin vivoで細胞または組織中のmiRNA濃度を定量する。ある態様において、miRNA濃度の変化はマイクロアレイ分析により測定される。ある態様において、miRNAの変化は種々の市販されているPCRアッセイの1つ、例えばTaqMan(登録商標)MicroRNA Assay(Applied Biosystems)により測定される。ある態様において、miRNAのアンチセンス阻害は、miRNA標的のmRNAおよび/またはタンパク質濃度を測定することにより評価する。miRNAのアンチセンス阻害は、一般的にはmiRNA標的のmRNAおよび/またはタンパク質の濃度の増加をもたらす。 実験モデル] [0292] ある態様において、本発明は、実験モデルにおいて本発明の修飾オリゴヌクレオチドを使用および/または試験する方法を提供する。ある態様において、実験モデルを用いて線維症を治療するための本発明の修飾オリゴヌクレオチドの効果を評価する。当業者は、本発明の医薬品を評価するためのそのような実験モデルのプロトコールを選択し、修飾することができる。] [0293] 修飾オリゴヌクレオチドは、最初に培養細胞中で試験することができる。適切な細胞種にはin vivoでの修飾オリゴヌクレオチドの送達が望まれる細胞種に関連するものが含まれる。例えば、線維症を治療するための修飾オリゴヌクレオチドを試験するための適切な細胞種には線維芽細胞、心筋細胞、および星細胞が含まれる。] [0294] ある態様において、修飾オリゴヌクレオチドがmiRNAの活性を阻害する程度は培養細胞で評価する。ある態様において、miRNA活性の阻害はmiRNA濃度を測定することにより評価することができる。あるいはまた、miRNA 標的の推定濃度または有効濃度を測定することができる。miRNA活性の阻害は、miRNA標的のmRNAおよび/またはタンパク質の増加をもたらしうる。さらに、ある態様において、ある表現形的結果を測定することができる。例えば、適切な表現形的結果には細胞増殖の阻害、細胞死の誘導、および/またはアポトーシスの誘導が含まれる。] [0295] miRNA活性を効果的に阻害する修飾オリゴヌクレオチドをin vitroで同定した後、修飾オリゴヌクレオチドをさらにin vivo実験モデルで試験する。] [0296] miR-122と相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含む医薬品を含む、線維症を治療するための医薬品を試験するための適切な実験モデルには、本明細書に記載の過剰圧負荷肥大モデルが含まれる。] [0297] 線維症を治療するための医薬品を試験するためのさらなる実験モデルには、限定されるものではないが、塩化メチオニン欠乏(MCD)餌モデル(例えば、Yamaguchi et al.、Hepatology、2008、47、625-635参照)が含まれる。db/dbマウスは、自発的に肥満、糖尿病、および脂肪肝を発現する。そのようなマウスにMCD餌を与えると4〜8週間以内に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および肝線維症が誘発される。miRNAと相補的な核酸塩基を有する修飾オリゴヌクレオチドの肝線維症に対する効果をこのモデルを用いて試験する。] [0298] 以下の実施例は、本発明のいくつかの態様をより完全に示すために示すが、本発明の広い範囲を制限するものと解釈すべきではない。] [0299] 心疾患におけるmiR-21の役割 心不全のトランスジェニックマウスモデル(β1-アドレナリン作動性レセプターの心臓制限過剰発現(Engelhardt et al.、1999))におけるミクロアレイ分析は、該疾患の重症度の増加を伴う心臓ミクロRNA発現の特徴の進行性脱制御(de-regulation)を示した(図1a)。miR-21発現は正常心筋において少量であったが、このミクロRNAは心不全において最も強く調節されたミクロRNAであった。実際に、末期心不全のマウスにおいて、miR-21は単一の最も強い上方調節されたミクロRNAであった(図1a)。定量的ノーザンブロット分析は、該マウスにおけるmiR-21の上方調節を確認し、さらにヒト心不全における顕著な上方調節を明らかにした(図1b、c)。ノーザンブロッティングで評価したmiR-21前駆体の発現増加は、転写メカニズムを示唆した。すなわち、ヒトmiR-21プロモーターについてさらに詳細に試験した。miR-21プロモーター領域を種々の種で同定した。これは種々の種で高度に保存されている(図4a)。ヒトmiR-21発現に関する試験(図4a-c)は、その転写調節が、心臓ストレス反応時に古典的に活性化される2つの転写物因子、カルシウム/cAMP応答配列タンパク質(CREB)および血清反応因子(SRF)によることを確認した。miR-21 プロモーター中のCREBの欠失およびSRF結合部位の突然変異は血清刺激に応じてmiR-21発現の顕著な減少を生じ、miR-21制御におけるこれら2つの転写因子の主な役割を示した(図4c)。心臓の形態と機能におけるmiR-21の本質的役割を、ゼブラフィッシュにおける種々の遍在性に発現するミクロRNAをノックダウンするバイアススクリーニングを用いるモルホリノに基づくアプローチによりみいだした。miR-21のノックダウンは、心臓の構造と機能の劇的な障害をもたらした(図5)。注射した動物の95%以上が、大量の心膜滲出(図5a挿入図およびb)およびビデオ顕微鏡でみいだされる心室機能障害を示した(図5c)。] [0300] 哺乳動物心臓におけるmiR-21のこれらの本質的機能をさらに詳しく試験するため、本発明者らは、単離心筋細胞におけるmiR-21発現を調節した。本発明者らは、合成miR-21前駆体およびアンチセンスmiR-21阻害因子をトランスフェクトし、オリゴヌクレオチド送達の>95%のトランスフェクション効率が常套的に達成された(図6a)。miR-21の過剰発現は、成熟miR-21の強い増強をもたらしたが、miR-21の阻害はノーザンブロット分析が示すように内因性miR-21発現を完全に阻害した(図6b)。しかしながら、心筋細胞のmiR-21濃度の増強および抑制はいずれも、安静条件下または心筋細胞肥大条件下の初代ラット心筋細胞の形態、サイズ、または数に有意な影響を与えなかった(図1d)。野生型同腹子に比べて25倍miR-21を過剰発現する心筋細胞特異的miR-21トランスジェニックマウスは、明確な心臓表現形を示さず、左室心筋の完全な構造を有し、間質性線維症はなかった(図1e、下段)。心不全におけるmiR-21発現の実質的な増加に反して、これらデータは単離心筋細胞および心筋細胞特異的miR-21トランスジェニックマウスモデルにおけるmiR-21発現濃度の操作では、ゼブラフィッシュで観察された効果により示される心臓におけるmiR-21の顕著な作用および心不全におけるmiR-21発現の実質的な増加を裏付けることができないことを示唆する。したがって、次に、本発明者らは、非心筋細胞種、例えば心臓線維芽細胞におけるmiR-21の潜在的役割について検討した。in situハイブリダイゼーションを用いて、弱いmiR-21シグナルが正常心筋に検出されたが、心筋障害ではハイブリダイゼーションシグナルは顕著に増強された。高倍率ではハイブリダイゼーションシグナルは主として小間質細胞、おそらく心臓線維芽細胞に限定された。プレプレーティング法を用いて、本発明者らは新生ラット心臓を心筋細胞分画と線維芽細胞分画に分けた。実際に、本発明者らは、主として心臓線維芽細胞において内因性miR-21発現をみいだした(図1f)。] [0301] miR-21は心臓線維芽細胞ERK-シグナル伝達を活性化する MiR-21発現は、種々のヒト癌において選択的に増加し(Lu et al.、2005;Iorio et al.、2005)、種々の細胞における広範なメカニズムによる腫瘍の成長と蔓延の一因となることが示された。miR-21は、細胞種特異的に異なるmRNAを標的化するようであることから、本発明者らは潜在的な心臓特異的miR-21標的を検討することにした。生物情報学的方法を用い、本発明者らは、3'UTRを含むシード配列および対応隣接ヌクレオチドを用いて潜在的miR-21標的について種々のミクロRNAデータベースをスクリーニングし、心臓における発現が報告されている候補に対するこの分析に焦点を絞った。要約を下記の表1に示す。] [0302] 理論的miR-21標的のスクリーニングでは、22の既知の潜在的標的遺伝子が明らかとなり、そのうち8個は心臓組織内で発現することが以前に示された。3つの異なる標的予測手段の組み合わせによりきわめて有望な候補としてSpry1(sprouty1)が同定された。Ras/MEK/ERK-経路の既知の阻害剤であるSprouty1(SPRY1)(Hanafusa et al.、2002、Casci et al.、1999)は、心臓におけるその高スコアおよび有意な発現濃度により潜在的標的であることがわかった(表1)。Spry1mRNAの3'UTRは、種々の推定ミクロRNA結合部位を含み、そのうちの1つのみが心臓病中に顕著に上方調節されるミクロRNAに対応する(miR-21、図7参照)。Spry1が発現する細胞種を決定するため、本発明者らはlacZ遺伝子がSpry1コーディング配列の部分と置換しているSpry1のアレルを用いた。lacZ発現に対するアッセイは、成体マウス心臓における顕著な染色を示した(図2a)。より高倍率では、間質性線維芽細胞由来のSpry1発現の斑状パターンが同定された(図2a、下段:パネル)。すなわち、miR-21とその推定標的であるSpry1はいずれも心臓線維芽細胞に共発現するが、心筋細胞分画には発現しない。これらの所見にしたがって、SPRY1発現の検出しうる下方調節は心筋細胞特異的にはmiR-21過剰発現トランスジェニックマウスにおいてみられなかった。さらに、miR-21発現の転写活性化因子である心臓CREB(図4)は、もっぱら線維芽細胞に局在する。次に、本発明者らはこれら所見のヒト疾患との関連について試験した。実際に、特発性拡張型心筋症による末期心不全の患者由来の左心室心臓組織試料の分析は、miR-21発現の増加(図1c)とSPRY1タンパク質発現の有意な抑制(図2b)を示した。これらの所見は、ホスホ-ERK/ERK比の増加により示されるERK-MAPキナーゼの活性化を伴った(図2b)。] [0303] MiR-21機能は、完全な心臓組織の組成によく似た間質性線維芽細胞と心筋細胞の共培養において特徴づけられた。本発明者らは、合成miR-21前駆体分子または阻害因子のトランスフェクションによりmiR-21機能について評価した。miR-21の増加は、SPRY1タンパク質発現の強い抑制を誘導し、ERK-MAPキナーゼの活性化を増加させた(図2c)。同様に、SiRNA介在Spry1サイレンシングは、ERK-MAPキナーゼの活性化をもたらした(図2d)。次に、本発明者らは、線維芽細胞ERK-MAPキナーゼシグナル伝達のmiR-21介在抑制解除は、線維芽細胞の生存に影響を及ぼすのに十分であるか否かについて評価した。心筋線維症におけるERK-MAPキナーゼシグナル伝達の潜在的役割に一致して、miR-21濃度の増大は心臓線維芽細胞の生存を促進したが、内因性miR-21の抑制はアポトーシスによる細胞死を誘導した(図2e)。本発明者らは、miR-21の過剰発現およびSPRY1発現のsiRNA介在サイレンシングはともに線維芽細胞成長因子2(FGF2)の上清への分泌を有意に増強したことから、SPRY1発現のmiR-21に基づく調節が心臓線維芽細胞の分泌機能にきわめて重要であることもみいだした(図2f)。すなわち、この試験は心臓病中のmiR-21の再発現がSPRY1の阻害を介してERK-MAPキナーゼ活性を増大するという心不全における新規シグナル伝達の実例を示す。哺乳動物の心臓において、このメカニズムは線維芽細胞の生存を調節することにより、間質性線維症および心臓のリモデリングの程度に決定的な影響を与えるかもしれない。] [0304] in vivoにおけるmiR-21の治療的サイレンシング 正常環境および心不全におけるin vivoでのmiR-21の機能を評価するため、miR-21活性をmiR-21と相補的な修飾オリゴヌクレオチド(miR-21アンタゴニスト)を用いて阻害した。過剰圧付加誘発肥大マウスモデルをヒト心不全のモデルとして用いた。このモデルでは、再現性のある心臓ストレス反応が大動脈縮窄術(TAC)により達成される。このモデルは、広範囲の発現プロフィールにおけるミクロRNAおよびmRNA変化パターンの一致によりヒト心不全とよく似ている(Thum et al. 2007)。]
权利要求: 請求項1 線維症があるかまたはその疑いがある対象に、miR-21またはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法。 請求項2 線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である方法。 請求項3 線維症が発現するリスクがある対象にmiR-21またはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の予防方法。 請求項4 線維症が、肝線維症、心線維症、腎線維症、肺線維症、皮膚線維症、加齢関連線維症、または脾線維症である請求項1、2または3記載の方法。 請求項5 少なくとも1の心疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象に、miR-21またはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む方法。 請求項6 少なくとも1の心疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である方法。 請求項7 心疾患または病状が、心肥大、高血圧性心不全、拡張期心不全、収縮期心不全、心臓関連蓄積症、心筋症、収縮性心内膜症、冠動脈疾患、急性心筋梗塞、慢性心筋梗塞、右心不全、不整脈、心筋炎関連線維症、および心臓弁膜症からなる群から選ばれる請求項5または6記載の方法。 請求項8 心筋症が、拡張型心筋症、閉塞を伴う肥大型心筋症、閉塞を伴わない肥大型心筋症、拘束型心筋症、催不整脈性右室心筋症、および糖尿病性心筋症からなる群から選ばれる請求項7記載の方法。 請求項9 心臓弁膜症が、僧帽弁狭窄、大動脈弁狭窄、三尖弁狭窄、および肺動脈弁狭窄からなる群から選ばれる請求項7記載の方法。 請求項10 心臓弁膜症が、僧帽弁閉鎖不全、大動脈弁閉鎖不全、三尖弁閉鎖不全、および肺動脈弁閉鎖不全からなる群から選ばれる請求項7記載の方法。 請求項11 1またはそれ以上のさらなる医薬品を投与することを含む請求項5〜10のいずれかに記載の方法。 請求項12 1またはそれ以上のさらなる医薬品が、利尿剤、変力物質、ジゴキシン、血管拡張剤、アンギオテンシンII変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンIIレセプター遮断薬(ARb)、カルシウムチャンネル遮断薬、イソソルビドジニトレート、ヒドララジン、ニトレート、ヒドララジン、ベータ遮断薬、およびナトリウム利尿ペプチドからなる群から選ばれる請求項11記載の方法。 請求項13 該投与が、静脈内投与、皮下投与、動脈内投与、または心臓内投与を含む請求項5〜11のいずれかに記載の方法。 請求項14 該投与が、心重量増加、左心室拡大、または収縮率の低下を改善する請求項5〜13のいずれかに記載の方法。 請求項15 該投与が、心重量増加、左心室拡大、または収縮率の低下を防ぐ請求項5〜14のいずれかに記載の方法。 請求項16 該投与が、心機能を改善する請求子5〜15のいずれかに記載の方法。 請求項17 少なくとも1の肝臓疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象に、miR-21またはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法。 請求項18 少なくとも1の肝臓疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に、12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である方法。 請求項19 該少なくとも1の肝臓疾患または病状が慢性肝障害である請求項17または18記載の方法。 請求項20 該少なくとも1の肝臓疾患または病状が肝炎ウイルス感染である請求項17または18記載の方法。 請求項21 該肝炎感染がC型肝炎ウイルス感染である請求項20記載の方法。 請求項22 該少なくとも1の肝臓疾患または病状が非アルコール性脂肪性肝炎である請求項17または18記載の方法。 請求項23 該少なくとも1の肝臓疾患または病状が肝硬変である請求項17または18記載の方法。 請求項24 該投与が静脈内投与または皮下投与を含む請求項17〜23のいずれかに記載の方法。 請求項25 該投与が肝機能を改善する請求項17〜24のいずれかに記載の方法。 請求項26 少なくとも1の肺疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象に、miR-21またはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法。 請求項27 少なくとも1の肺疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に、12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である方法。 請求項28 該少なくとも1の他の肺疾患または病状が慢性閉塞性肺疾患である請求項26または27記載の方法。 請求項29 該投与が肺投与を含む請求項26〜28のいずれかに記載の方法。 請求項30 少なくとも1の他の疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象に、miR-21またはその前駆体と相補的な核酸塩基配列を有する12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む線維症の治療方法。 請求項31 少なくとも1の他の疾患または病状を有する、線維症があるかまたはその疑いがある対象を同定し、該対象に、12〜30連結ヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することを含む、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である方法。 請求項32 該少なくとも1の他の疾患または病状が肺高血圧である請求項30または31記載の方法。 請求項33 該少なくとも1の他の疾患または病状が血管関連疾患である請求項30または31記載の方法。 請求項34 血管関連疾患が、動脈壁の硬化、中膜硬化症(mediasclerosis)、および動脈硬化症からなる群から選ばれる請求項33記載の方法。 請求項35 該少なくとも1の他の疾患または病状が腸硬化症(gut sclerosis)である請求項30または31記載の方法。 請求項36 該少なくとも1の他の疾患または病状が全身性硬化症である請求項30または31記載の方法。 請求項37 該少なくとも1の他の疾患または病状が、後腹膜線維症、増殖性線維症、腫瘍性線維症、腎性全身性線維症、注射線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、精管切除後痛症候群、リウマチ性関節炎からなる群から選ばれるである請求項30または31記載の方法。 請求項38 該投与が、静脈内投与、皮下投与、動脈内投与、心臓内投与、または肺投与を含む請求項30〜37のいずれかに記載の方法。 請求項39 該投与が線維症を改善する請求項1〜38のいずれかに記載の方法。 請求項40 該投与が線維症のさらなる進行を遅くする請求項1〜38のいずれかに記載の方法。 請求項41 該投与が線維症のさらなる進行を停止させる請求項1〜38のいずれかに記載の方法。 請求項42 該投与が線維症を減少させる請求項1〜38のいずれかに記載の方法。 請求項43 線維増殖性障害であるかまたはその疑いのある対象に、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物を投与することにより線維増殖性障害を治療する線維増殖性障害の治療方法。 請求項44 線維芽細胞を、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物と接触させることにより線維芽細胞の増殖を阻害することを含む線維芽細胞の増殖を阻害する方法。 請求項45 線維芽細胞を、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物と接触させることにより線維芽細胞のアポトーシスを促進することを含む線維芽細胞のアポトーシスを促進する方法。 請求項46 線維芽細胞を、修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体と相補的である12〜30連結ヌクレオシドからなる該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物と接触させることにより、Sprouty 1タンパク質の発現を促進する、Sprouty 1タンパク質を増加させる方法。 請求項47 該修飾オリゴヌクレオチドが12〜30結合ヌクレオシドからなる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項48 該修飾オリゴヌクレオチドが12、13、または14結合ヌクレオシドからなる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項49 該修飾オリゴヌクレオチドが15〜24結合ヌクレオシドからなる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項50 該修飾オリゴヌクレオチドが15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24結合ヌクレオシドからなる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項51 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体の核酸塩基配列とわずか2つのミスマッチを有する上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項52 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体の核酸塩基配列とわずか1つのミスマッチを有する上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項53 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列がmiR-21またはその前駆体の核酸塩基配列とのミスマッチを有さない上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項54 修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号12の核酸塩基配列の少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、または少なくとも22の連続核酸塩基配列を含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項55 該化合物がリガンドと結合した修飾オリゴヌクレオチドを含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項56 該リガンドがコレステロールである上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項57 該少なくとも1のヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項58 各ヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項59 少なくとも1のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項60 各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項61 少なくとも1のヌクレオシドが修飾糖を含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項62 複数のヌクレオシドのそれぞれが修飾糖を含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項63 各ヌクレオシドが修飾糖を含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項64 各ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチル糖を含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項65 複数のヌクレオシドのそれぞれが2'-O-メトキシエチル糖を含み、複数のヌクレオシドのそれぞれが2'-フルオロ糖を含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項66 各修飾糖が独立して2'-O-メトキシエチル糖、2'-フルオロ糖、2'-O-メチル糖、または二環式糖部分から選ばれる請求項61〜63のいすれかに記載の方法。 請求項67 少なくとも1のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項68 該修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである請求項67記載の方法。 請求項69 少なくとも1のヌクレオシドがシトシンを含み、該シトシンが5-メチルシトシンである上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項70 各シトシンが5-メチルシトシンである請求項69記載の方法。 請求項71 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列と少なくとも90%相補的であるかまたは少なくとも95%相補的である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項72 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列と100%相補的である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項73 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列と完全長の相補性を有する上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項74 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号11の核酸塩基配列と少なくとも90%相補的であるかまたは少なくとも95%相補的である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項75 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号11の核酸塩基配列と100%相補的である上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項76 該miR-21核酸塩基配列が配列番号1の核酸塩基配列からなる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項77 前駆体核酸塩基配列が配列番号11の核酸塩基配列からなる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項78 該修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物が医薬組成物として製造される上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項79 該化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項80 該修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖修飾オリゴヌクレオチドである上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項81 該投与がコラーゲン含有量を減少させる上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項82 修飾オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである上記請求項のいずれかに記載の方法。 請求項83 線維症を治療および/または予防するための医薬を製造するためのmiR-21と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用。 請求項84 線維症を治療および/または予防するためのmiR-21と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド。 請求項85 線維症を診断するための医薬を製造するためのmiR-21と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用。 請求項86 線維症を診断するためのMiR-21と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド。 請求項87 a.線維症に罹患していると推定される患者の試料を得、b.miR-21の発現を測定する工程を含む、コントロール試料と比較したmiR-21レベルの上昇が線維症またはその素因を示す、線維症の診断方法。 請求項88 a. miR-21を含む試料を得、b.候補物質と該試料を接触させ、c. 該試料に対する候補物質の効果を測定する工程を含む、miR-21の変化が医薬的に活性な化合物を示す線維症またはその素因を治療および/または予防するための医薬的に活性な化合物のスクリーニング方法。 請求項89 miRNAがmiR-21であり、線維症が修復または反応過程として器官または組織中の過剰な線維性結合組織の形成または発生として定義される、線維症を診断、予防、および/または治療するためのカルシウム/cAMP応答配列タンパク質(CREB)および/または血清応答因子(SRF)結合部位の修飾を含むミクロRNA(miRNA)のプロモーター領域。 請求項90 miRNAが配列番号1である請求項89記載のプロモーター領域。 請求項91 該修飾が、点突然変異、トランケーション、欠失、および反転からなる群から選ばれる請求項89または90記載のプロモーター領域。 請求項92 該プロモーター領域が、配列番号2〜配列番号4からなる群から選ばれる上記請求項のいずれかに記載のプロモーター領域。 請求項93 該細胞が請求項89記載のプロモーター領域を含むmiR-21欠損細胞。 請求項94 リガンドに結合した修飾オリゴヌクレオチドを含む、以下の構造(III)を有する化合物:(5')QxQz1(Qy)nQz2Qz3Qz4Q-L(3')(III)[式中、各Qは独立して2'-修飾ヌクレオシドである;xは、である;ここで、AおよびBの一つがSであり、他方がOである;yは、である;z1、z2、z3、およびz4のそれぞれが独立してxまたはyである;n = 6〜17である;Lは、である;ここで、Xは、N(CO)R7またはNR7である;R1、R3、およびR9はそれぞれ独立してH、OH、または-CH2ORbである;ただし、R1、R3、およびR9の少なくとも1つがOHであり、R1、R3、およびR9の少なくとも1つが-CH2ORbである;R7は、Rd、またはNRcRdもしくはNHC(O)Rdで置換されたC1-C20アルキルである;Rcは、HまたはC1-C6アルキルである;Rdは、炭化水素ラジカル、または少なくとも1の炭化水素ラジカルに連結していることがあるステロイドラジカルである;Rbは、であり、ここで、AおよびBの1つがSであり、他方がOである;ここで、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が配列番号11の核酸塩基配列と少なくとも90%相補的である。]。 請求項95 Rdがコレステロールである請求項94記載の化合物。 請求項96 z1、z2、z3、およびz4のそれぞれが、であり、AおよびBの1つがSであり、他方がOである請求項94または95記載の化合物。 請求項97 R1が-CH2ORbである請求項94記載の化合物。 請求項98 R9がOHである請求項97記載の化合物。 請求項99 R1およびR9がトランスである請求項98記載の化合物。 請求項100 R9がOHである請求項94記載の化合物。 請求項101 R1およびR3がトランスである請求項100記載の化合物。 請求項102 R3が-CH2ORbである請求項94記載の化合物。 請求項103 R1がOHである請求項102記載の化合物。 請求項104 R1およびR3がトランスである請求項103記載の化合物。 請求項105 R9がOHである請求項102記載の化合物。 請求項106 R3およびR9がトランスである請求項102記載の化合物。 請求項107 R9がCH2ORbである請求項94記載の化合物。 請求項108 R1がOHである請求項107記載の化合物。 請求項109 R1およびR9がトランスである請求項108記載の化合物。 請求項110 XがNC(O)R7である請求項94記載の化合物。 請求項111 R7が-CH2(CH2)3CH2NHC(O)Rdである請求項110記載の化合物。 請求項112 各2'-修飾ヌクレオシドが、独立して2'-O-メトキシエチルヌクレオシド、2'-フルオロヌクレオシド、2'-O-メチルヌクレオシド、または二環式ヌクレオシドから選ばれる先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項113 各2'-修飾ヌクレオシドが2'-O-メトキシエチルヌクレオシドである先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項114 各2'-修飾ヌクレオシドが2'-O-メチルヌクレオシドである先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項115 少なくとも1のヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む上記請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項116 該修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである請求項115記載の化合物。 請求項117 少なくとも1のヌクレオシドがシトシンを含み、該シトシンが5-メチルシトシンである先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項118 各シトシンが5-メチルシトシンである請求項117記載の化合物。 請求項119 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号11の核酸塩基配列と少なくとも95%相補的である先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項120 該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号11の核酸塩基配列と100%相補的である先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項121 n = 15〜23である先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項122 n = 16である先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項123 n = 17である先の請求項のいずれかに記載の化合物。 請求項124 |